院外処方を検討する際に出会った、利益主義な薬剤師兼CEO
開業の際は院内処方にする!と決意した私。しかし、開業から1年ほど経ちボチボチ患者さんが来院してくれるようになった頃、医薬品卸さんへの支払いが開業前の構想とは解離していることに気がつきました。
院内処方を続けるもデッドストックの山が…
当時、私は複数の医薬品卸さんに対して厳しく相見積もりを取って院内処方の医薬品を仕入れていました。しかし、それでも薬価差益は15%程度であり、当院レベルの取引量ではそれ以上の値引きは無理であることがわかりました。 一方で、患者さんを逃したくない一心から、その患者さんにしか処方しないような薬でも用意していました。もちろん、患者さんが通院し続けてくれる保証はないわけですから、生まれるのはデッドストックの山。そりゃそうです。
こうして見通しや戦略の甘さから、院内処方が医療経営的に厳しいと自覚し始めた頃、ある調剤薬局チェーンを展開している薬剤師兼CEOからアポ入れがありました。
利益主義の薬剤師兼CEOに呆気にとられた話
前回に引き続き、このエピソードも20年以上前の話ですが、お会いした薬剤師兼CEOはパンチパーマでクリクリ、左手には金のロレックスという、その当時でさえなかなか見かけないバブリーなお姿の方でした。
そして開口一番、「今私は、東京進出を狙っています。先生のところが院内処方と聞いてぜひお役に立ちたいと思いまして」とおっしゃいます。
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