薬剤師が気になる年収・給料コラム

更新日: 2024年2月1日 薬剤師コラム編集部

薬剤師は年収1000万円稼げる?おすすめの年収1000万ルート3つ

薬剤師のための転職・求人コラム「薬剤師」「年収」「1000万」
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薬剤師は比較的年収が高い仕事ではありますが、同じ医療職の医師や歯科医師に比べると、年収1000万円を超える薬剤師はそう多くはありません。
しかし、キャリアプラン次第では、薬剤師も年収1000万円を狙うことは可能です。
本記事では、薬剤師が年収1000万円を達成するために、おすすめの3つの方法をご紹介します。

薬剤師は年収1000万円稼げる?職場別平均年収をチェック

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薬剤師は年収1000万稼ぐことは可能か?
まずは、薬剤師の年代別平均年収を見てみましょう。

薬剤師の平均年収は?

年齢 男性 女性
20~24歳 406万円 372万円
25~29歳 501万円 442万円
30~34歳 573万円 551万円
35~39歳 680万円 512万円
40~44歳 726万円 577万円
45~49歳 719万円 608万円
50~54歳 738万円 613万円
55~59歳 856万円 609万円
60~64歳 589万円 566万円
65~69歳 496万円 588万円
70歳~ 544万円 585万円

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

一番年収が高い性別・年代は、男性薬剤師の55~59歳ですが、856万円でした。

薬剤師の職場別年収、平均は?

調剤薬局 年収517万円
病院 年収474万円
ドラッグストア(調剤併設) 年収528万円
ドラッグストア(OTCのみ) 年収500万円

※エムスリー調べ

もっとも年収が高いのは、調剤が併設しているドラッグストアに勤務する薬剤師でした。

年収1000万越えの職場は?

おすすめはドラッグストアです。ドラッグストアの中でも、大手の部長職など、現場の仕事のみならず、事業統括いった上級職の立場になると、年収1000万以上もらえる可能性があります。

ほかにも、製薬会社のMR、CRA職なども、年収1000万をもらえる可能性はありますが、MRの場合は成果に対してとても厳しかったり、CRA職は求人自体が少なかったりします。

薬剤師で年収1000万円を超える働き方

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ここでは、年収1000万以上もらえる可能性がある働き方を5つご紹介します。

製薬会社でMR

MRは、営業成績に対する成果給が期待できます。特に外資系のMRは高給取りという印象があります。MRは、高い営業成績を出し続け、管理職へ昇進できれば、年収1000万円も夢ではありません。
ちなみに、MRは基本的に経験者採用ですので、MR未経験での転職は難しいでしょう。

なお、コロナ渦で訪問機会が減少したため、給与とは別に支給される日当は減少し、早期退職を募る会社も出てきています。
成績が振るわないMRは淘汰され、優秀なMRのみが残っている可能性があります。

地方の管理薬剤師

管理薬剤師は各種手当が支給されるため、年収アップが見込めます。また、地方は薬剤師不足のため、都市部より給与が高い傾向があります。
ちなみに、地域別に薬剤師の平均年収(※1)を見てみると、一番高い地域は宮崎県の約718万円です。
管理薬剤師の平均年収は約735万円(※2)で、薬剤師の平均年収約583万円と比べ、約1.3倍の金額です。単純計算で、宮崎県の薬剤師平均年収を1.3倍にすると、約933万円、年収1000万円にかなり近づきます(あくまで単純計算した予想で、実際の年収ではありません)。

※1)平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※2)厚生労働省/中央社会保険医療協議会「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)令和5年実施」より

外資系CRO業界でCRA職

CRA(臨床開発モニター)、新薬開発のために実施される治験が、日本のルールに基づいて行われているか、モニタリングする仕事です。
経験年数によりますが、外資系CROに転職したり、管理職になったりすれば、年収1000万円以上になる可能性はあります。
少し前までは、コロナ禍によって現場は混乱しましたが、現在では落ち着きを取り戻しており、コロナ関連の医薬品も含めて新たな新薬開発のために治験が行われています。

ドラッグストア・調剤薬局で管理薬剤師

厚生労働省/中央社会保険医療協議会「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)令和5年実施」資料によると、2~5店舗展開している法人の管理薬剤師の平均年収は約805万円、100~199店舗ある法人の場合、約715万円です。

薬局の開設

同じく、厚生労働省/中央社会保険医療協議会「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)令和5年実施」資料によると、1店舗の管理薬剤師の平均年収は、約933万円です。1店舗というのは、自分で薬局を独立開業した場合を指しています。

年収1000万円に届くために必要なこと

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専門性(認定薬剤師・専門薬剤師)

認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得すれば、資格手当が出る企業もあります。また、資格は転職の際にも有利です。
専門性が求められている分野は、主に5つあります。「がん」「精神科」「HIV感染症」「妊婦・授乳婦」「感染制御」です。中でも「がん」に関する資格は多く、5つの中でのニーズも高いです。

「がん」に関する専門資格を一部ご紹介すると、認定薬剤師であれば、日本臨床腫瘍薬学会が認定している「外来がん治療認定薬剤師」や、日本病院薬剤師会認定の「がん薬物療法認定薬剤師」など。専門薬剤師であれば、日本臨床腫瘍薬学会認定の「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」や日本療薬学会認定の「がん専門薬剤師」などがあります。

コミュニケーション力

薬剤師のみならず、どの組織でも、求められるのはコミュニケーション力です。もしも、年収アップのためにマネジメント職に就きたい場合は、特に必要です。複数名いるチームをまとめるリーダーには、高いコミュニケーション力が求められます。マネジメント職にコミュニケーション力は必須です。
マネジメント職ではなくとも、「薬剤師で年収1000万円を超える働き方」でご紹介した、製薬会社のMR職、外資系CRO業界でCRA職など、どれもコミュニケーション力がなければ成功が難しい職です。

マネジメントスキル

役職が上がると給与も上がります。マネジメントスキルは、年収を上げるためにつけるスキルその1と言っても過言ではありません。
マネジメントスキルに必要なことは、全体を俯瞰してみる視点、進捗管理能力、人材育成力などです。
企業においては、一般職の薬剤師がストレスなく働き、パフォーマンスが最大化できる環境を作るのは、マネジメント職の仕事です。
また、独立開業する場合には、薬局事務を雇用したり、忙しくなれば一般職の薬剤師を雇ったりしますので、同じくマネジメントスキルは必要です。

年収1000万円に届かずとも、給与アップしたい場合

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年収1000万円に届かずとも、現在の職場にいながら、年収アップを狙いたい方に向けて、給与アップに必要な行動を4つご紹介します。

現在の職場に給与アップを交渉

会社によっては、昇給制度や評価制度が明確にされておらず、曖昧のままになっていたり、中途入社の場合、入社時に提示された給与のままになっていたりするケースも多いのではないでしょうか。

労使交渉を個人で行うのは難しいですが、十分な仕事量とスキルで会社に貢献できている自覚があれば、面談の際にぜひ給与アップの交渉をしてみましょう。
根拠もなく給与アップの交渉をするのは無謀ですので、まずは「会社への貢献」をできれば数値化、難しければ具体的なエピソードを交えて話し、交渉してみましょう。具体的なエピソードが無い場合は、今後の展望や目標を掲げて交渉する方法もあります。

休日出勤

休日出勤は、休日手当がつくので、給与アップにはぴったりです。
休日出勤は、比較的手軽に給与アップできる方法なので、積極的に休日シフトに入ってみては。

残業

残業も、残業手当がつくので、手軽に給与アップできる方法の一つです。
残業が頻繁に発生する職場は、あまり良い環境とはいえませんが、残業は、会社への貢献度も上がるため、給与アップしたい場合、残業に協力しておいて損はないでしょう。
もし、過去に残業したのにも関わらず、手当がついていない場合、給与制度を確認してみましょう。みなし残業制度では、所定の時間内の残業であれば手当はつきません。
給与制度がよくわからない場合は、改めて会社に確認してみましょう。

副業

副業でダブルワークも方法の一つです。
薬局薬剤師の場合、管理薬剤師は兼業が認められませんが、勤務薬剤師は兼業が認められており、休みの日に他の薬局で働いている人もいます。
単発派遣であれば、1日のみ、空いている日に仕事をすることも可能です。
副業は、チャンスがあれば簡単に給与アップが狙えますが、本業に支障がない程度に抑えておきましょう。

薬剤師の年収1000万円への道、おすすめの方法3つ

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ここでは、薬剤師が年収1000万円を目指す、おすすめの方法を3つご紹介します。

1.管理薬剤師になる

管理薬剤師や薬局長など、管理職を目指す方法です。管理薬剤師になると色々な手当が付与されるため、年収を底上げできます。管理職への道は将来年収1000万円を目指すための近道の一つといっても良いでしょう。また、都心ではなく、地方で働くと、年収はより上がります。
管理薬剤師になるには、薬局での5年以上の実務経験と、認定薬剤師の資格が必要
です。

エリアマネージャーは?

エリアマネージャーには、複数の薬局を管理し、各薬局の管理薬剤師と薬局開設者である会社をつなぐ役割があります。エリアマネージャーは、各薬局が法令を遵守しているか、管理するために配置されるポジションです。
エリアマネージャーの給与相場は、おおよそ750〜800万円程度ですので、年収1000万に届くのは難しそうです。しかし、、マネジメント職で年収1000万円を目指す場合、エリアマネージャーを経験するのはおすすめです。

2.認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得する

認定薬剤師とは、「自己研鑽により資質向上努力を継続している薬剤師」として、有効期限付きの証明を受けた薬剤師のことを言います。認定薬剤師の資格を取得できれば、他の薬剤師との差別化ができ、ステータスを上げることができます。また、認定薬剤師は、専門薬剤師の資格取得の足がかりとして欠かせない資格です。

専門薬剤師は、認定薬剤師を持っていないと受験資格がない、さらに専門的な薬剤師のことです。専門薬剤師を、「他の薬剤師に対する指導的役割 を果たし、研究活動なども行うことが出来る能力を有することが認められたもの(※)」と定義している病院もあります。
専門薬剤師になると、身につけた高度な知識や技能をもって、医師の負担を分散し、安全かつ有効な薬物療法を患者へ提供できます。

こちらで述べたように、専門性が求められている分野は、主に5つあり、中でも「がん」に関する資格は多く、特にニーズが高い分野です。ここでは、主ながんの認定薬剤師資格と専門薬剤師資格をご紹介します。

(※)新潟がんセンター病院医誌「がん専門薬剤師認定制度と当院におけるがん専門薬剤師研修」より

主ながん関連の認定薬剤師資格

外来がん治療認定薬剤師(APACC)

日本臨床腫瘍薬学会が認定している資格です。外来がん治療認定薬剤師(APACC)とは、外来でのがん治療を安全に実施するための資格で、通院のがん治療が増えていることから、自宅で安全にがんの薬物治療が行えるように設けられた資格です。

がん薬物療法認定薬剤師

日本病院薬剤師会が認定している資格です。がん治療においては、複数の診療科や、医師や看護師など、医療の専門家が携わります。そんな複数機関・専門家にまたがる中、薬物治療の専門家としてチームに参加し、患者にとって最適な薬物治療が行えるように助言・推進するために設けられた資格です。

主ながん関連の専門薬剤師資格

外来がん治療専門薬剤師(BPACC)

日本臨床腫瘍薬学会が認定しており、外来がん治療認定薬剤師(APACC)より専門性が高い資格です。
外来がん治療専門薬剤師(BPACC)は、外来や在宅でがん治療を受ける患者へ、他の医療機関との連携をとりながら、専門性の高いカウンセリングや指導ができる専門薬剤師資格です。
外来がん治療専門薬剤師(BPACC)になるには、まず外来がん治療認定薬剤師(APACC)の資格を取得しなければいけません。

がん専門薬剤師

がん専門薬剤師は、日本医療薬学会が認定する資格です。外来がん治療専門薬剤師(BPACC)と似た資格ですが、資格取得までの要件は、こちらの、がん専門薬剤師の方が資格取得が厳しいです。資格取得には、現場経験の他に、日本医療薬学会の座学研修や講座など、勉強すべきことが数多くあります。
がん専門薬剤師は、薬剤師として初めて医療法上広告が可能な専門性に関する資格として認められた資格です。例えば「一般社団法人日本医療薬学会認定 がん専門薬剤師 〇〇 〇〇」と、ご自身の名前を新聞や雑誌に掲出し、意見を述べることが可能になります。

3.独立し薬局開業を目指す

こちらで述べたように、独立開業し薬局を経営した薬剤師の平均年収は、933万円です。お一人で独立開業する場合、ご自身が管理薬剤師になる必要があります。管理薬剤師は、「薬局経験5年」「認定薬剤師の資格保有」という要件を満たすことが推奨されています。

独立開業の方法は、大きく分けて2パターンあります。

新しいクリニックができるときに出店する

医師と協力して、新規クリニックの開設時に合わせて開業する方法です。知り合いの医師やMS、MRと積極的に情報交換を行いつつ、独立開業予定の医師を探してみましょう。
しかし、情報を探すところから始めた場合、新規開業医を探して薬局開業に至るまでには、時間がかかります。新規開業医を探しつつ、平行して、開業資金の用意、独立自営かフランチャイズを検討するなど、準備を進めましょう。

事業承継する

薬局を継いでくれる身内や関係者がいない薬局オーナーから事業承継し、独立する方法です。
昨今の診療報酬の低さから、薬局事業の引き受け手が少なく、困っている高齢の薬局オーナーはいます。日本政策金融公庫や、地元の信用金庫、商工会などに相談すると、事業承継を希望する薬局オーナーがいた場合、教えてくれます。
事業承継は、元々運営している薬局をそのまま引き継ぐため、引き継ぎ時から売り上げ予測が立てやすい、というメリットがあります。

さらに、年収2000万円は稼げるのか?

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薬剤師が年収2000万円を稼ぐには、立地のよい場所に独立開業し、お店を大きくする方法、外資系CRO業界で役職者になる方法あたりになります。いずれにしても、経営スキルが必要になるでしょう。

年収1000万円を目指して

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薬剤師が年収1000万円を稼ぐことは可能です。それにはまず、キャリアプランを立ててみてください。ご自身でキャリアプランが立てられない、誰かに相談したい場合は、転職エージェントに相談してみるのも手です。
ぜひ、ご自分にあったキャリアプランで、年収1000万円を目指してください。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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