精神科専門薬剤師とは?取得方法とメリット
精神科専門薬剤師とは?その役割も解説
「精神科専門薬剤師」は、一般社団法人日本病院薬剤師会による認定です。精神科薬物療法に関する高度な知識と技術により、精神疾患患者の治療と社会復帰に貢献することを理念とし、精神疾患に対する薬物療法を安全且つ適切に行うことを目的とした認定です。
社会復帰の支援を含めて、一人の患者さんに対し、長い期間深く関わります。そのためには精神科医療だけでなく、精神科社会福祉の分野まで、幅広い知識や対応力が必要となります。
また、この認定では、臨床での業務だけではなく、継続して研究に携わることも求められます。なお、認定取得時は筆頭発表者・筆頭著者としての実績が求められますが、更新の際は、自身が筆頭演者もしくは筆頭著者であることは必須ではありません。これは、精神科薬物治療の先進研究者として、後進の育成に積極的に携わることが求められていることを意味します。
認定を取得するメリット・強み
認定の理念に「患者の社会復帰」があります。そのため、この認定を取得する過程では、薬学的な知識だけでなく、精神的・社会的に患者を支えていく観点も身につきます。これによって、多職種連携や在宅医療福祉制度を含めた地域医療の実践において、薬剤師がチーム医療の一員としてその知識や技能を活かし、存在感を発揮していくことができます。
認定を取得すると、日本病院薬剤師会のホームページに氏名と所属先が掲載されます。外部の人にも精神薬物治療に特に精通していることと、自ら研究するだけでなく、後進の育成にも携わる薬剤師として認知されます。
「精神科専門薬剤師」は、こんな人向け
研究も臨床もしっかり携わりたい
多職種と連携して地域医療を支える薬剤師になりたい
精神科薬物療法をリードする立場になりたい
難易度
領域 | 更新年 | 勤務歴 | 試験 | 論文 | 学会 | 症例報告 | 薬局薬剤師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
精神科薬物療法 | 5年ごと | あり | 認定時 | 認定時:1編以上 更新時:1編以上 (学会といずれか) |
認定時:2回以上 更新時:1回以上 (論文といずれか) |
更新時に 活動報告 |
△ |
精神科専門薬剤師の詳細
認定団体:一般社団法人 日本病院薬剤師会
認定申請に必要な資格:
1.日本の薬剤師資格
2.精神科薬物療法認定薬剤師の資格
3.以下のいずれかの学会に所属している
日本精神神経学会、日本神経精神薬理学会、日本臨床精神神経薬理学会、
日本生物学的精神医学会、日本病院・地域精神医学会、日本社会精神医学会、
日本老年精神医学会、日本精神科救急学会、日本認知症学会、日本精神薬学会
認定時、更新時に必要な単位や条件
認定時 | 更新時 | |
---|---|---|
必要単位 | なし ※精神科薬物療認定薬剤師である必要がある |
5年間で50単位(毎年3単位以上) うち指定の研修会で12単位以上 |
勤務歴の条件 | あり | あり |
試験の有無 | 筆記試験あり | なし |
論文発表 | 1編以上(うち1回は筆頭著者) | 1編以上(共同発表者可) ※学会発表といずれか |
学会発表 | 2回以上(うち1回は発表者) | 1回以上(共同発表者可) ※論文発表といずれか |
症例報告 | 不要 | 活動報告が必要 | 推薦状 | 必要 | 不要 |
かかる費用 | ・認定審査料(税込) |