クイズで知ろう、メイバランス。26年改定「処方制限」でエンシュアの代替に?
2026年度の診療報酬改定により、「経腸栄養剤」(エンシュアなど)の保険給付ルールが厳格化され、処方のハードルが高まりました。
薬剤師として患者さんの背景に応じた栄養指導を行う重要性が増す一方で、「食事でそこまで対応するのは難しい」という患者さんが多いのも現状です。
そこで注目されているのが、国の審査を経て許可を得た「総合栄養食品」です。
対象となる食品はいくつかありますが、今回はその中から「メイバランス」について深掘りします。
こうした製品を詳しく知ることは、患者さんの生活を支えるだけでなく、調剤報酬以外のOTCや食品による利益という面でも、薬局の大きな強みとなるのではないでしょうか。
<クイズ①>
「エンシュア・H」1本のカロリーは、「メイバランス」Miniカップシリーズの何本に相当する?
- 約1本
- 約2本
- 約3本
「エンシュア・H」と「メイバランス(総合栄養食品)」の栄養成分を比較しよう
エンシュア・Hとメイバランスでは、1本あたりの容量が異なります。もし、メイバランスをエンシュア・Hと同量の250mlを摂取すれば、カロリーはエンシュアよりも多く摂れるということになります。
ではカロリー以外の栄養成分はどうでしょうか?
エンシュア・HとメイバランスMiniカップミルクテイストシリーズ(総合栄養食品)の比較
| 成分項目(100mLあたり) | エンシュア・H | メイバランス Miniカップ (ミルクテイスト) |
| エネルギー (kcal) | 150 | 160 |
| たんぱく質 (g) | 5.28 | 6.0 |
| 脂質 (g) | 5.28 | 4.48 |
| 炭水化物 / 糖質 (g) | 20.6 | 23.44 |
| 食物繊維 (g) | 記載なし | 2.0(※1) |
| ナトリウム (mg) | 120 | 104 |
| カリウム (mg) | 224 | 144 |
| カルシウム (mg) | 80 | 96 |
| マグネシウム (mg) | 30 | 32 |
| リン (mg) | 80 | 112 |
| 鉄 (mg) | 1.35 | 1.2 |
| 亜鉛 (mg) | 2.25 | 1.6 |
| 銅 (mg) | 0.15 | 0.08 |
| マンガン (mg) | 0.3 | 0.368 |
| セレン (μg) | 記載なし | 9.6 |
| クロム (μg) | 記載なし | 4.8 |
| モリブデン (μg) | 記載なし | 8.0 |
| ヨウ素 (μg) | 記載なし | 24 |
| ビタミンA | 375.2 IU | 96μgRAE(※2) |
| ビタミンD (μg) | 30IU(0.752μg) | 0.96 |
| ビタミンE (mg) | 4.52 | 4.8 |
| ビタミンK (μg) | 10.52 | 15.04 |
| ビタミンB1 (mg) | 0.228 | 0.24 |
| ビタミンB2 (mg) | 0.26 | 0.32 |
| ナイアシン (mgNE) | 3.0 | 4.4 ※3 |
| ビタミンB6 (mg) | 0.3 | 0.48 |
| ビタミンB12 (μg) | 0.92 | 0.96 |
| 葉酸 (μg) | 30 | 48 |
| ビオチン (μg) | 22.8 | 24 |
| パントテン酸 (mg) | 0.75 | 0.96 |
| ビタミンC (mg) | 22.8 | 80 |
| コリン (mg) | 80 | 12.08 |
100mLあたりの栄養成分比較一覧
※1 食物繊維は1kcal/gで計算
※2 レチノール活性当量
※3 ナイアシン当量
成分を比較してみると、食品とはいえメイバランスの栄養成分はエンシュアといい勝負。むしろ、メイバランスの方が多く配合されている成分もあるのがわかります。
細かい違いはありますが、市販の総合栄養食品でも十分代用が可能というのがわかります。
「総合栄養食品」とは食事の代替となるよう、食事として摂るべき31種の栄養素がバランス良く含まれている食品です。疾患等により通常の食事で十分な栄養を摂ることができないときの栄養補給に適しているとされており、国の審査を受け許可を得た食品になります。
そのため、「エンシュア」などの経腸栄養剤からの切り替えとしては、患者さんの納得度も高くおすすめしやすいのではないかと思います。
ちなみに、この「総合栄養食品」として認められているものには、メイバランスの他にも「アイソカル」、「シーゼット・ハイ」、「ぺプタメンプレビオ」などがあります。
同じシリーズでも、メイバランス同様、「総合栄養食品」であるものとそうでないものがあります。許可されたものには許可マークと「総合栄養食品」の文字が表示されているためご確認ください。
「メイバランス」のタイプ(剤型)や味の種類を把握しよう
メイバランスには様々なタイプ(剤形)があり、同タイプにフレーバーも数種あるので詳しくみていきましょう。
経腸栄養剤とメイバランス(総合栄養食品)のタイプ(剤型)&フレーバー(味)一覧表
| 分類 | 製品名・タイプ | フレーバー | 特徴・主な対象者 |
| 医療用医薬品 (濃厚流動食) |
エンシュア・H | 全7種 | 医師の処方が必要な医薬品 |
| メイバランス 液体シリーズ |
ミルクテイスト | 全5種 | 定番の甘みのあるドリンクタイプ(総合栄養食品) |
| スープテイスト | 全2種 | 甘い味が苦手な方に向けた塩味のあるシリーズ(総合栄養食品) | |
| 発酵仕込み | 全2種 | ガラクトオリゴ糖配合で、お腹の健康を意識した栄養強化タイプ | |
| Arg | 全2種 | 遊離アルギニン、亜鉛、銅、鉄、ビタミンA・C・Eを強化したタイプ | |
| メイバランス 液体以外のシリーズ |
ソフトJelly | 全8種 | 液体では誤嚥(ごえん)が心配な方におすすめの嚥下しやすいゼリータイプ。 フレーバーの種類が非常に多く、デザート感覚で食べやすい。 |
| アイス | 全3種 ※一部は通販や施設向け等の限定 |
食欲がない時や暑い日でも食べやすいアイスクリーム。 1カップ(80ml)で100kcalと、少量で高カロリーを摂取できる。デザート感覚で食べやすい。 |
※病院・施設向け商品は除く
数あるラインナップの中でも、「総合栄養食品(病者用)」として表示許可を受けているのは、「ミルクテイストシリーズ(5品)」と「スープテイストシリーズ(2品)」の計7品のみです。
では、「総合栄養食品以外」のシリーズは栄養的に劣るのか?」というと、メイバランスシリーズでは決してそんなことはありません。厳格なバランス基準を要する「総合栄養食品」の枠組みには入らなくとも、十分なエネルギーを確保しつつ、中には特定のニーズに合わせて成分が強化されているものもあります。
通常の食事にプラスする「栄養補助」としての利用であれば、どのタイプを選んでも問題はないでしょう。味も種類が豊富なので、患者さんの好みや嚥下状態などの背景を優先して選んでも良いかもしれません。
<クイズ②>
メイバランスにある「Argシリーズ」にはアルギニンが高用量で配合されていますが、この目的として考えられるのは?
- 睡眠の質改善
- 便秘予防
- 褥瘡改善サポート