既存薬の可能性を論じることの問題点
参考記事
イベルメクチン、新型コロナへの有効性認めず 軽症患者1030例で臨床試験
興和株式会社は9月26日、軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象に進めていたイベルメクチンの第3相臨床試験の結果を公表した。「主要評価項目において、統計的有意差が認められなかった」としている。
(詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.html)
イベルメクチンに期待された効果
イベルメクチンは北里大学 大村智記念研究所・大村智特別栄誉教授が発見したマクロライド系抗生物質です。日本ではストロメクトール錠の製品名で抗寄生虫薬として承認されており、腸管糞線虫症と疥癬に対する適応を取得しています。このイベルメクチンが新型コロナウイルス感染症の治療に利用できるかもしれないという報告があり、臨床試験の実施が期待されていました。
2021年7月、興和株式会社は発見者である大村智特別栄誉教授からの依頼により、イベルメクチンの新型コロナウイルスに対する臨床試験を開始しました。
(開発コードK-237、詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.html)
試験は花木秀明教授、愛知医科大学・三鴨廣繁教授、東京都医師会(会長:尾﨑治夫医師)の協力の下進められていました。
イベルメクチンはSARS-CoV-2の細胞内への侵入抑制と複製阻害という作用が報告されており、感染細胞を用いた実験で、アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株に加えてオミクロン株に対しても抗ウイルス効果があることが確認されています。
(詳しくは興和株式会社ホームページ:
https://www.kowa.co.jp/news/2022/press20220926.htm)