第106回 薬剤師国家試験の出題傾向と対策

まずは、基本となる出題範囲や合格基準を知ろう!
出題範囲、合格基準を教えてください。
下野講師:薬学教育6年間で学んできたこと全てが出題範囲です。下図で問題配分や合格基準を確認しましょう。必須問題のみ最低限得点しなければならない問題数(足きりと呼ばれています)がありますので、取りこぼしのないよう注意してください。

※実践問題は、「実務」20問、及びそれぞれの科目と「実務」とを関連させた複合問題130問からなる
以下の全てを満たす事を合格基準とする。なお、禁忌肢の選択状況を加味する。
- 問題の難易を補正して得た総得点について平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること
- 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること(上記の表参照)
基本の対策と戦略的な勉強法
基本となる国試対策の勉強法や戦略的にすすめる手法はありますか?
下野講師:薬剤師国家試験の在り方の中で「新薬剤師国家試験(第97回以降)における既出問題のうち、薬剤師に必要な資質を的確に確認する事が可能な良質な問題として一定の評価が与えられた問題を活用する事とし、その割合は現行制度と同程度(20%程度)とする事」との記載がみられます。しかし、近年の国試では、全く同じ形で出題される既出問題はほとんどありません。既出問題を活用した勉強では単なる正誤の暗記ではなく、内容を理解しておくことが重要となります。既出問題を確認できていない方は、まずは既出問題に目を通すことで傾向と出題頻度が確認できるでしょう。
おすすめ参考書や、便利な使い方って!?
お勧めの参考書などを教えていただけますか?
下野講師:国試対策参考書で一番のおすすめは、やっぱり青本です!フルカラーで図や写真が豊富に掲載されており理解しやすい作りになっています。更に青本(参考書)と青問(国家試験既出問題とオリジナル問題で構成された問題集)が分かれているので、並べて学修できると好評です。

2021年版国試対策参考書 (全9冊)
少し厚い参考書ですが、毎年国試を確認して最新情報を取り入れることによる情報量の証です。全国の薬学生や大学の先生方に信頼されている国家試験対策45年のノウハウが詰まった参考書です。
参考書のおすすめの使い方などありますでしょうか。
下野講師:受験する国試まで1年程度の期間がある時期は、青本の範囲を決めて学修した後、青問で国試にどのように出題されているのか確認する。という学修の仕方がおススメです。これに対して、国試までの時間が少なくなった時期は、まずは青問で問題を解いて、わからなかった箇所を青本で振り返り、その補完をするという「時期に応じて取り組みの順番を変える」ことをお勧めしています。
コロナ陽性者は救済措置ナシ!? 国試までどう過ごす?
インフルエンザ、特にコロナ陽性者は救済措置なく受験できないということですが、国試までの過ごし方や感染症対策も教えてください。
…