薬ゼミ講師に聞きました! 薬剤師国家試験対策

更新日: 2021年1月31日

第106回 薬剤師国家試験の出題傾向と対策

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まずは、基本となる出題範囲や合格基準を知ろう!

出題範囲、合格基準を教えてください。

下野講師:薬学教育6年間で学んできたこと全てが出題範囲です。下図で問題配分や合格基準を確認しましょう。必須問題のみ最低限得点しなければならない問題数(足きりと呼ばれています)がありますので、取りこぼしのないよう注意してください。

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※実践問題は、「実務」20問、及びそれぞれの科目と「実務」とを関連させた複合問題130問からなる

以下の全てを満たす事を合格基準とする。なお、禁忌肢の選択状況を加味する。

  • 問題の難易を補正して得た総得点について平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること
  • 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であること(上記の表参照)

基本の対策と戦略的な勉強法

基本となる国試対策の勉強法や戦略的にすすめる手法はありますか?

下野講師:薬剤師国家試験の在り方の中で「新薬剤師国家試験(第97回以降)における既出問題のうち、薬剤師に必要な資質を的確に確認する事が可能な良質な問題として一定の評価が与えられた問題を活用する事とし、その割合は現行制度と同程度(20%程度)とする事」との記載がみられます。しかし、近年の国試では、全く同じ形で出題される既出問題はほとんどありません。既出問題を活用した勉強では単なる正誤の暗記ではなく、内容を理解しておくことが重要となります。既出問題を確認できていない方は、まずは既出問題に目を通すことで傾向と出題頻度が確認できるでしょう。

おすすめ参考書や、便利な使い方って!?

お勧めの参考書などを教えていただけますか?

下野講師:国試対策参考書で一番のおすすめは、やっぱり青本です!フルカラーで図や写真が豊富に掲載されており理解しやすい作りになっています。更に青本(参考書)と青問(国家試験既出問題とオリジナル問題で構成された問題集)が分かれているので、並べて学修できると好評です。

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2021年版国試対策参考書 (全9冊)

少し厚い参考書ですが、毎年国試を確認して最新情報を取り入れることによる情報量の証です。全国の薬学生や大学の先生方に信頼されている国家試験対策45年のノウハウが詰まった参考書です。

参考書のおすすめの使い方などありますでしょうか。

下野講師:受験する国試まで1年程度の期間がある時期は、青本の範囲を決めて学修した後、青問で国試にどのように出題されているのか確認する。という学修の仕方がおススメです。これに対して、国試までの時間が少なくなった時期は、まずは青問で問題を解いて、わからなかった箇所を青本で振り返り、その補完をするという「時期に応じて取り組みの順番を変える」ことをお勧めしています。

コロナ陽性者は救済措置ナシ!? 国試までどう過ごす?

インフルエンザ、特にコロナ陽性者は救済措置なく受験できないということですが、国試までの過ごし方や感染症対策も教えてください。

下野講師:日頃から、不要な外出の自粛、マスクの着用、手洗い、消毒など基本的な感染予防をしっかり行いましょう。疲れがたまると感染リスクも上昇しますので、栄養管理、睡眠時間の管理など体調管理も併せて行ってください。インフルエンザの予防接種も可能な方は実施しておくと安心できると思います。厚生労働省がホームページにて発信している国家試験における新型コロナウイルス感染症対策についての詳細は以下を確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15202.html

国試目前、やっておきたいこと!

国試が近づいてきた今だから、やっておいた方が良いことは?

下野講師:薬学ゼミナールの全国統一模擬試験を受験している方は、個人カルテを参考にして勉強の優先順位を明確にしましょう。設問における平均正答率が60%以上であるにも関わらず間違えてしまった問題が赤帯で示されています。この問題を自身の弱点と判断し、解答解説書で間違えた選択肢やその周辺の知識を確認してください。また、科目の得点チャート等で苦手科目を把握して対策を行うことが重要です。また、青本の巻頭に「薬剤師国家試験出題基準対応表」として、第97~104回国試で出題された出題基準の項目が示されています。ほぼ毎年出題される範囲(例えば、うつ病など)がわかるので、出題頻度が高いが学修できていない範囲を洗い出して、これからの学修計画に役立ててください。

下野講師から国試を受験する薬学生に一言、応援メッセージをお願いします。

薬剤師は「人の命と健康な生活を守ることで社会に貢献する役割」を負う職業です。その資質を問う薬剤師国家試験が易しいという事はありえず、皆さんが6年間で学んできた知識や考え方が問われる学修の総決算です。やってやりすぎることはありません。能動的にかつ地道に学修を続けることが良い結果をもたらします。ここまで来た皆さんは薬剤師国家試験に合格する資質と力を備えています。自身の力を信じて進んでください。全国の薬学ゼミナール講師陣は皆さんの頑張りを応援しています。

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