【薬が届かない】離島の薬局で苦戦中!医薬品管理のリアルとは!?
どうもこんにちは!薬剤師キクオです。
現在1カ月弱、島根県の隠岐の島という離島で過ごしています。
島の薬局では普段体験できないことが起こったり、薬局を運営していくなかで驚くことが出てきました。今回は医薬品管理についてです。それでは、早速いってみましょう!
離島という立地は医薬品供給がネック?
写真:薬は船で運ばれてくる。通常の薬局は医薬品卸の配達者だが島では運送業者が薬を運ぶ
私が経営する薬局は継承ではあるものの、一次的に休止をしていたため、取引先である医薬品卸からは新規の薬局扱いになりました。そうした新規薬局の場合、過去の実績がないため、医薬品供給がいつにも増して不安定な状況からスタートするのです。
特に今の薬局業界は出荷調整や出荷停止している薬が多いです。品薄状態の薬、出荷調整がかかっている薬は基本的に医薬品卸から手に入れることができませんでした。
同時に離島ならではの「立地」が薬局経営の難しさを加速させます。
「薬を発注しても当日には入らない」
「指定の時間を過ぎると明後日の到着になる」
私が愛知県で働いていたときは、午前中に医薬品を発注するとその日の午後に配達が来ました。
ところがどうでしょう。
離島ではそのような時間軸ではありません。いや、午前に発注をしてもその日に届くことはないのです。医薬品は船で運ばれるからです。。
私が個人的に驚いた問題がこちらです!
「天候が荒れると予定する日に薬が届かない」
12月中には何度も海が荒れた時がありました…。丸ッと2日、船が出ないんです!!
このように離島薬局での医薬品管理の難しさを知り、まずは薬を安定的に補充することが私の第一優先となりました。
離島では在庫を多めに確保するべき?
写真:薬局周辺
離島で薬を管理していると在庫を多めに確保する必要があることがわかりました。同時に友人の経営者からのある言葉を思い出しました。
「初めはお金がかかるよ」。そして「事業を継続させるだけの体力が必要だよ?」という言葉もフラッシュバックしたのです。ここで言う体力とは【資金繰り】です。
当たり前だけれど薬代って高い。
私の例では、通常薬局の在庫金額より、1.5倍ほどの薬代がかかる印象です。
私は過剰在庫にしたくはない気持ちと、離島で薬を切らしてはいけない気持ちで不安な毎日を過ごしたのでした。
難易度レベルマックス?走る!分譲依頼!
写真:吹雪いている街並み、薬局周辺
ある日、島から出て病院受診をした患者さまが来局しました。隠岐の島から船または飛行機で移動して、島根県の大学病院や鳥取県の大学病院を受診。その後、処方せんを持って島の薬局に来客する患者さんは一定数いらっしゃいます。FAXはしていません。
このように離島では、島の外の病院で受診をして、薬局に来るケースがあります。大学病院で処方される薬は、島の薬局では在庫を抱えていないケースもあります。
これは困ったぞ。
今すぐに発注したとしても、医薬品卸から来るのは明後日になるのは確定です。
薬が足りない、でも今すぐ必要。患者さんが待っている。
離島の薬局だけではないかもしれませんが、足りない薬を今すぐ欲しい場合、近隣の薬局に車を走らせ、薬の貸し借り、または買い取りを実施します。その後、患者さんに薬を提供しているのです。キクオも昔は多いときに1日2、3回車を走らせて薬を取りに行っていました。
こちらは協力してくれる周りの薬局さまがいなければ成り立たなかったでしょう。
島の薬局のみなさん、本当に助かりました。近隣の薬局さんに、薬の分譲を快くOKしていただいた時、とってもうれしい気持ちになりました。
お世辞ではなく。島の医療は優しい助け合いの気持ちで成り立っていると感じます。
困っている地域、困っている人を助ける。そんな薬局を私は目指したい。
困難があっても解決して、患者さんを支える薬局、医療体制に島全体でしていこうと実感したのでした。
今回のお話はここまで!それではまた!