離島薬局ならではの失敗5選!
こんにちは!薬剤師キクオです。私は島根県にある離島。隠岐の島で薬局経営をしているアラサーの薬剤師です。昔ながらの地域の健康薬局として経営されていた薬局を引き継いで現在に至ります。また「地方創生」をキーワードに薬局経営以外の取り組みもしています。今回は離島で薬局経営をして失敗したことを5つご紹介します。独立を目指す薬剤師に少しでも役立てたら幸いです。それではいきましょう。
失敗1 離島の住まいの準備
隠岐の島は超田舎だから、土地は余り、空き家が多いと思いこんでませんか?実は隠岐の島、土地は余っていますが空き家は少ないのです。本土から隠岐の島に移住をする方もいるのですが、そこで問題となるのが「住まい」です。
隠岐の島は一人暮らしなどの1Kや1Rなどの物件が異常に少なかったのです。そして私も離島に着いてから家がない状態が続いていました(笑)。みんなに驚かれますが、しばらくは薬局で暮らす日々だったのです…。やっとある日、不動産会社から戸建てが空いていると連絡がありました。
しぶしぶそこに決めたのですが、とんでもなく寒い!隠岐の島の冬はけっこう寒くて家の暖房設備が整っていないと本当に無理!体調を崩してしまう原因ともなります。離島薬局における住まいの準備に関しては失敗したなと思います。
失敗2 新規個別指導の準備不足
お友達の薬局経営者のウワサでは医療機関への新規個別指導はコロナの影響もあって1年以内ではなく、立ち上げてから1年後に来ると耳にしました。そうです、それはあくまでもウワサだったのです。
私の薬局に新規個別指導が来たのは立ち上げてから約8カ月目。準備もなにもできていません。対策をギリギリまで考えていましたが思うように進まなかったのです。この記事を執筆している時点ではまだ結果は出ていませんが、もしかすると再指導になってしまうかも…。トホホ。いや自分が悪いので仕方なし。離島だから失敗をした訳ではないかもしれません。
それでも、田舎や離島はもしかすると新規個別指導の日程が早いのかなぁと思うことがありました。
失敗3 医薬品を発注したときのラグ
医薬品卸さんのお仕事って早いですよね。全国では翌日には基本薬が届きます。
隠岐の島では、船または飛行機で薬が届きます。それをクロネコヤマトさんか郵便局の方が店舗まで運んでくれるのです。薬局に荷物が届くと、医薬品における中身の確認は各自で行います。離島の薬の発送は基本的に2日かかります。
離島は、医薬品購入に関しては急配の概念がありません。そもそも全国的に急配はなくなりつつあると思いますが「ないものはない」それが離島。
患者さんに対しては今薬局にはないお薬だからね~と説明をすることも多々あります。本土の薬局のように「明日届きますのでお届けします」と伝えてしまうと薬のお渡しを失敗してしまうケースがあるので注意してください。
失敗4 新規取引による医薬品供給不足
「ないものはない」隠岐の島ですが、今でも医薬品の供給はかなり不安定です。事業継承をしたものの、取引先との関係が約9カ月ストップしていたので、新規として薬局開設をすることとなりました。取引を新規でスタートすると以前の購入実績が反映されないので、出荷調整中の品物に関しては入ってこないのがデフォルト。
いきなり患者さんに出せない薬が発生をして失敗したなと個人的には思いました。このご時世で新規開業するのは難しいと感じましたね。離島での医薬品供給の難易度は高いので、勢いで薬局を新規運営するのは失敗になりかねません。
失敗5 疑義照会の方法
薬局の疑義照会って地方やエリアによって決まりがあるのでしょうか?隠岐の島の場合は基本的にFAXを使って疑義照会を行います。電話や対面もありかもしれませんが、診療の妨げになる恐れがあり昔からFAXで疑義照会を実施していたようです。
私はそのルールを知らなったので電話で問い合わせをしたところ「FAXでお願いします」と言われ気づいたのです。疑義照会もその地域に合わせた問い合わせ方があるのですね。今までの薬局で働いてきた環境はすべて正解ではないと反省した出来事でした。
まとめ
失敗をすると次の対策ができる!経営をしているとその気持ちがわかります。失敗はしても良いかもしれませんが、そのリスクを最小限にすること。それが経営では大切です。失敗した分強くなれる気がしますが、もちろん事前のリスク回避をしながら経営をしていきたいですね。今回はこの辺で!それでは、また!