薬局のリアルな現場感や日常に潜む薬の落とし穴が共感できる小説「薬も過ぎれば毒となる」とは?
『薬も過ぎれば毒となる~薬剤師・毒島花織の名推理』~「薬」に対して異常に熱意のある薬剤師が、薬にまつわる事件の謎を解き明かすミステリー
書籍データ
タイトル | 薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 |
著者 | 塔山 郁 |
ジャンル | ミステリー |
出版社 | 宝島社 |
出版日 | 2019年5月24日 |
ページ数 | 255ページ |
定価 | 730円(税別) |
あらすじ
ホテルマンの水尾爽太が出会った毒島花織は、黒縁眼鏡で強気な印象を与える薬剤師。着飾ったり愛敬を振りまいたりするようなことはせず、それどころか笑顔もなくて、コミュニケーション能力も高くない、少しとっつきにくい女性。そんな彼女は薬剤師としての見識が異常に広く、同じ薬剤師からも特殊と言われるほどの薬オタク。どんな状況であっても、薬に関することは見て見ぬふりができない。
妊婦にハーブティーをプレゼントしようと相談している同僚、抗真菌薬を1ヵ月塗り続けても治らない水虫、兄である主人公には内緒でピルを服用している妹、睡眠薬を混入されていると騒ぐパートスタッフ、脳梗塞で倒れてから食事にも気を付けているのに不調が続く伯父、子どもの塗り薬がなくなったという宿泊客からのクレーム、薬が不足していたのですぐに持ってこいと電話で時間指定をしてきた常連患者、口コミで話題の“厚労省が認可した痩せ薬”・・・薬剤師なら「あるある」と感じる色んなトラブルに、相手が患者であろうとなかろうと首を突っ込み、その知識で謎を解き明かす。
書籍レビュー:ここがおもしろい
作品としては4話から成る連作短編集で、それぞれメインとなるストーリーがあるのですが、その途中にも薬にまつわる話題が散りばめられていて、どれもこれも気になる事例ばかりです。実際、