海外ではVRで学術大会が行われている?Web3.0は医療にどう影響するか
前回の記事で「Web3.0」や「ブロックチェーン」「NFT」というキーワードがどんな意味の言葉なのかを簡単に紹介してきましたが、今回はこれらの技術を応用して世の中や医療がどのように変わっていくのか、それを考える際に重要となる「DAO」や「メタバース」といった言葉についても解説します。
DAOとは?
「DAO:Decentralized Autonomous Organization」は、日本語に訳すと「分散型自立組織」となります。簡単に言うと、各メンバーが主体的に共同所有・管理する組織のことを意味します。
これまでの組織は、社長がいて、従業員がいて、会社が得た利益を従業員に分配していました。この仕組みでは上下関係が存在し、自身の努力や成果が適切に評価されていない場合も多くありました。そこでDAOと呼ばれる分散型自立組織が現れます。
例えば、YouTuberとして無名だった人を何度も視聴して応援していて、その人が有名になったとします。そうすると、そのYouTuberとYouTubeを運営する会社は利益を得ますが、応援した人はほぼ利益が得られません。しかし、その応援した人にも対価を渡そうというのが「DAO」の考え方です。つまり、”当事者全員”が平等に組織に関わって運営を行い、利益を分散させて、意思決定は投票によって行う、ということです。
Web3.0時代の意義は「権利」と「価値」の分散とも言われており、情報だけでなく組織も変化し、皆が情報を所有して利益を得ることを目指しています。
医療へどのように応用する?
「web3.0」時代の医療はどのように変化していくのでしょうか。
現在の医療データは、それぞれの病院や薬局に独立して保管されています。そのため、お薬手帳などを通して情報を医療者に共有し、個人がそれを安全に保管する必要があります。
しかし「ブロックチェーン」を活用すれば、患者自身が医療データを安全に所有できるようになります。引越しをして別の病院を受診する場合や、突然入院してこれまでの治療情報が必要になる場合など、これまでは膨大な時間とコストをかけて情報を収集していましたが、個人が情報を管理していればすぐに共有できます。