「服薬指導」や「薬歴」が変わる、薬剤師イチオシの薬学本3選
「せっかくの夏、何か本を買って勉強しよう」、「でも、いっぱい本があってどれが自分に合っているのかわからない」・・・・・・そんな人に、私から目的別の「イチオシの1冊」を紹介したいと思います。
①「子ども」への服薬指導をもっと上手にできるようになりたい人
大人になると20歳でも30歳でもそこまで対応を大きく変える必要はありませんが、日々成長を続ける「子ども」の場合はそういうわけにもいきません。特に、新生児から小学校の低学年ころまでは、1年どころか数ヶ月単位で適した対応は変わってきます。そのため、「子どもにはどう対応すれば良いのか、いまいちよくわからない」と苦手意識を抱いている薬剤師も少なくありません。
そんな人にお勧めしたいのが、「松本康弘の極める!小児の服薬指導(日経BP社) 」です。この書籍は、小児への“服薬指導”に焦点を当て、エキスパートはどんな服薬指導を行っているのか、その創意工夫やさじ加減の考え方が非常に細かくまとめられています。
類書との最大の違いは、その創意工夫やさじ加減に、しっかりと科学的根拠(文献情報や公的機関、メーカーの資料)の引用が添えられている、という点です。子どもへの対応は、往々にして“経験談”だけを基にアレンジした「我流」になってしまいがちですが、この書籍で基礎と考え方を学べば、それはきちんと薬学という「基本」に則った、非常に合理的かつ妥当なレベルアップをすることができます。
小児科や耳鼻科の門前薬局で、子どもの処方箋を扱う機会の多い薬剤師であれば、買っても絶対に後悔しない「イチオシの1冊」です。
②自分の「服薬指導」に“医薬品情報”を添えて、バージョンアップしたい人
服薬指導の際や患者さんから質問を受けた際に、「医薬品情報」を添えたお話ができる薬剤師は、同じ薬剤師から見てもかっこいいと思います。そんな薬剤師を目指そうと思った場合、まず必要になるのが「医薬品情報」を知識としてたくさん身につけておくことです。知識の“ひきだし”が多ければ多いほど、色々な質問に柔軟に対応できるようになるからです。