薬剤師から提案!便秘に効く “非薬物療法”とは?

- 薬剤師として、どんな非薬物療法を提案すれば良いか
- 食物繊維の豊富な食材として、どんなものが提案に適しているか
- 運動や食事の見直し以外に、どんなアプローチがあるか
便秘のセルフメディケーションにおいては、薬を使わない“非薬物療法”も一緒に行っていくことが非常に重要です。しかし、こうしたアプローチには科学的根拠の怪しいものも多くあり、ひとつ間違うと薬剤師が詐欺的医療の片棒を担いでしまうことになります。
そこで今回は、便秘のセルフメディケーションに関して、薬剤師として自信を持って提案できる科学的根拠のある“非薬物療法”の代表的なものを紹介します。
薬に頼らない「便秘」の解消法①: 「適度な運動」と「水分・食物繊維の摂取」
「適度な運動」と「水分・食物繊維の摂取」は、ガイドラインなどでも便秘の“非薬物療法”として推奨されている方法です1)。
運動不足の人には、ウォーキング程度の軽い運動を週1~2回からでも始めること、また日ごろからこまめに水分補給を行うこと、食物繊維の豊富な食材を積極的に食事に取り入れることは、薬学的にも妥当なセルフメディケーションと言えます。
特に、調理パンなどで食事を済ませることが多い人は食物繊維の摂取量が不足しているため、食事のバランスを見直してもらうことは効果的な方法の1つになります。
その際、根菜や海藻などの“手間のかかる食材”ではなく、まずはキウイフルーツ2)やレーズン3)など、日常生活で導入・継続しやすい食材から提案するのがポイントです。
ただし、食物繊維は過剰になるとかえって便秘の原因にもなる4)ため、日本人の摂取推奨量を参考にしながら、極端な摂取にはならないよう注意が必要です。
薬に頼らない「便秘」の解消法②: トイレに踏み台を置く
運動や食事内容の改善のほかにも、“排便時に適切な姿勢をとる”という方法も効果的です5)。本来、排便には和式トイレを使うときのように“しゃがむ姿勢”が適していますが、現代社会ではほとんどが西洋式トイレを使うため、この姿勢にはなりません。