薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年1月26日 児島 悠史

ドンペリドン(ナウゼリン)の妊婦「禁忌」はなぜ解除された?背景を解説

【特集】妊婦への“禁忌”が解除!「ドンペリドン」の服薬指導のポイントのメイン画像
☞この記事でわかること
  • 「ドンペリドン(ナウゼリン)」の添付文書がどう変わったか
  • 「ドンペリドン(ナウゼリン)」の妊娠中の安全性はどう評価されているか

「ドンペリドン(ナウゼリン)」の添付文書はどんな風に改訂された?

吐き気止めの「ドンペリドン」は、これまで妊婦または妊娠の可能性がある女性への投与は、添付文書上も“禁忌”に指定されていました。

しかし、2025年5月の改訂でこの項目は削除され、妊婦への注意事項は「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目で、いわゆる“有益性投与”として記載されるように変更されています。

改訂前と改訂後の添付文書の比較

ドンペリドン(ナウゼリン)の妊婦「禁忌」はなぜ解除された?背景を解説の画像
改訂前 改訂後
【禁忌】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性
―動物実験(ラット)で、骨格・内臓異常等の催奇
形性が報告されている
【特定の背景を有する患者に関する注意】
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の
有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与
すること。動物実験(ラット)で臨床用量の約65倍の
投与量(体表面積換算)で骨格、内臓異常等の催奇形作用
が報告されている。

「ドンペリドン(ナウゼリン)」の妊婦への禁忌の根拠は、ラットに過量投与した際のデータに由来するものだった

ここで注意したいのは、元々「ドンペリドン(ナウゼリン)」に設けられていた妊婦への“禁忌”は、「実験動物に約65倍量の過量を投与した際に確認された催奇形性」に基づくものだった、という点です。

確かに、薬に催奇形性のリスクが確認されていたことは確かですが、これだけでは実臨床でどのくらいのリスクになるのかは評価が難しいところがあります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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