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認定・専門資格薬剤師の資格取得体験記

更新日: 2024年12月17日 おだけん

【薬剤師の資格】抗菌化学療法認定薬剤師の資格取得体験記

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「抗菌化学療法認定薬剤師」とは?

「抗菌化学療法認定薬剤師」とは、日本化学療法学会が認定している薬剤師の認定資格です。

この資格を取得するためには、日常の感染対策業務や抗菌化学療法への介入などを持ってして得られた、症例報告や抗菌化学療法のみならず、微生物検査や病態への理解も含めた最終試験に合格する必要があります。

病院薬剤師として業務を行うにあたって、必ずしも必要であるとは限りませんが、この資格を取得することで、感染症診療に対して薬剤師としてより深い関わりが得られるため、医師や看護師からも信頼を得られ、病院薬剤師としての充実感や使命感が持てるようになります。

「抗菌化学療法認定薬剤師」取得のきっかけ

私が「抗菌化学療法認定薬剤師」の資格を取得するに至ったきっかけは、至って単純な理由です。それは、病院薬剤師として患者さんへの治療に対する有益性を最大限にできる方法で、それを周りに理解してもらいやすいからです。

確かに認定資格を取らなくても、世の中には立派な知識や研鑽を積んでいる薬剤師さんは、数多くおられます。しかし、患者さんや他職種からは薬剤師として見られる場合は、どうでしょうか? 名札に記載していなければわからないことかもしれませんが、実際にそういった記載がある場合、言葉の一つひとつに重みが増します。

実際に資格を取得する前後で、医師、看護師、一緒に働く薬剤師、病棟でお話しする患者さんから、抗菌薬に関して聞かれることが多くなりました。また、自分の回答について責任が大きくなったとも感じます。これから取得を目指す方にも、この責任感をもつ重要性は感じてもらいたいです。

仕事と勉強を両立させるコツは?

資格取得で難しいと感じること、これは人によって様々です。意欲が持続しない、仕事で疲れて勉強を続ける気力が維持できない、資格を取得する意味がわからなくなったなど…。

実際に自身が資格取得する際に最も難しかったことは、仕事と勉強の両立を維持させることでした。日中の仕事を朝から夜までこなした後に、勉強会へ参加したり、参考書をもとにして知識の習得する。これは体力と気力が充実して始めて成立することなのかもしれません。

では、どうしたらいいのか? それは、短期的な目線で行わないことです。詰め込むことも悪くないのですが、覚える量も多く、全てを頭に入れるというのは難しく、また頭に入ってきにくいためです。

業務中に気になった疑問を1つずつ考えるようにすると、自然と疾患や細菌検出の特徴から適切な薬剤が提案できるようになります。そうした積み重ねによって、車の両輪のように長期的に良い循環が生まれました。

「抗菌化学療法認定薬剤師」の資格申請に必要なこと

資格申請を行うにあたり、日本化学療法学会公式ホームページに記載されている、以下の内容が必要です。

  • 日本における薬剤師免許を取得している
  • 申請時に抗菌化学療法に薬剤師として5年以上従事、所属長などの証明が取得可能
  • 申請時に化学療法学会正会員である
  • 医療機関において、薬剤管理指導、TDM、DI業務などを通じて感染症患者の治療(処方設計支援を含む)に自ら参加した事例を15症例報告できる
  • 日本化学療法学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー・認定委員会の指定研修プログラムなどにおいて、別に定める単位数を取得している(合計すると60単位)

また、申請時に申請料も必要となります。新規申請受付期間も決まっており、毎年4月1日~8月31日(必着)となっています。申請の際は、期限に間に合うようにしましょう。

「抗菌化学療法認定薬剤師」の試験会場での心構え

申請が無事に終われば、症例審査、試験となります会場にいる全員が強い気持ちを持って認定試験を受験しにきており、気持ちがのまれてしまうと通常ならば正解できるはずの問題も間違えてしまう恐れがありますので気を引き締めましょう。

試験会場は基本的に1会場のみですので、事前準備をしっかりと行い、今までの勉強や医療機関で実際に出会った症例、その時に調べた抗菌化学療法の実際や感染症の病態、抗菌薬の調製方法や投与方法、微生物検査方法などを思い出していくと、不思議とできる気がしてくると思います。

「抗菌化学療法認定薬剤師」を取得してよかったこと・変わったこと

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おだけん
おだけん

神戸学院大学薬学部医療薬学科卒業。ドラッグストア、一般薬販売店、亜急性期・療養型病院などの勤務を経て、2021年4月より薬剤科副主任として地域支援病院に入職し、現在はAST専任薬剤師として勤務している。抗菌化学療法認定薬剤師、病院薬剤師会認定薬剤師、実務実習指導薬剤師の資格をもつ。

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