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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2021年7月10日 児島 悠史

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起

臨床論文で服薬指導をアップデート!のメイン画像

患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。
実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。

今回の論文

糖尿病.49(12):941-5,(2006)
内容:750mg/日で「メトホルミン」 を服用していた55歳の2型糖尿病患者が、忘年会シーズンの4日間に焼酎を合計2升飲んで乳酸アシドーシスを起こし、15日間入院した症例。


ポイント

pointの画像1「メトホルミン」服用中のアルコール多飲は、乳酸アシドーシスのリスクになる
pointの画像2「飲み過ぎない」という漠然とした表現では、具体的な注意喚起にならない
poinTの画像3コロナ禍が落ち着いてきた後の“久しぶりの飲み会”は要注意


「メトホルミン」を服用している人は、一時的にでもアルコールを大量に摂取すると「乳酸アシドーシス」を起こすリスクが高まります。お盆休み、年末年始、地元のお祭りだけでなく、コロナ禍が落ち着いてきた頃の“久しぶりの飲み会”にも十分に注意するようにしてください。

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像1
患者

新型コロナのワクチン接種、2回目も先月終わったよ!

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像2
薬剤師

おお、お疲れさまでした。

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像3
患者

感染の流行が落ち着いたら、久しぶりに友達と飲み会にでも行きたいなあ

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像4
薬剤師

そうですね、ここ1年以上ずっと我慢の連続でしたからね。私も行きたいです。

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像5
患者

でも、確かこの「メトホルミン」って薬を飲んでいる人は、お酒を飲み過ぎたらいけないんだよね?

「久しぶりの飲み会」を楽しみにしている、「メトホルミン」服用患者への注意喚起の画像6
薬剤師

はい、飲み過ぎは「乳酸アシドーシス」というちょっと怖い薬の副作用を起こしやすくなるので、気をつけてくださいね(※1)。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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