【薬局英会話】英語で薬効の説明しよう。付き添いの人へは何と言う?

前回は併用薬について確認するフレーズを取り上げました。今回は、患者さんに「どんな薬なのか」を理解してもらうためのフレーズです。薬効の説明は難しく感じるかもしれませんが、詳しい作用機序まで説明する必要はありません。さらに、英語で説明しなければならない場面では、今まで通り、とにかくシンプルに伝えることがポイントです。
薬剤の効能の説明は「単語さえ覚えれば」とても簡単

効能を説明する時、例えばDPP-4阻害薬を「この薬はDPP-4を阻害することによってGLP-1の働きを高め、血糖が高い時にインスリン分泌を促進することなどによって血糖値を下げるお薬です」……なんて、患者さんには説明しませんよね。
これをもっと簡単にすると「血糖値が高い時にインスリン分泌を促進して血糖値を下げるお薬です」。インスリンについてよく理解している患者さんならいいですが、それでもやや分かりにくいかもしれませんし、これを英語にするのは大変です。
患者さんには、「この薬は何の疾患のために処方されているのか」を明確に伝えるのがシンプルで効果的です。作用機序まで説明する必要がある場合は、後から付け加えれば大丈夫です。まずは、何のための薬なのかだけを伝えましょう。
究極にシンプルな言い方
<公式>
「これは、〇〇のお薬です」
”This is for your 〇〇.”
〇〇には、第2回・第3回で取り上げた疾患名/症状(名詞)を入れるだけ。つまり、「これはあなたの〇〇という疾患/症状のためのお薬です」という表現になります。
とても簡単なフレーズですね。
以前、「疾患名や症状を名詞で覚えましょう」とお伝えしましたが、それは、このように名詞でたくさん覚えておけば色々な場面で応用が効くからです。
形容詞などで覚えてしまうと、少しややこしくなります。気になる方は第2回と第3回のコラムをチェックしてくださいね。
今回もフレーズはとても簡単なのですが、疾患名や症状の単語を知らないと伝えられません。
ここでは、第2回・第3回では取り上げなかった主要な疾患名と症状の例を挙げます。疾患名なのか症状なのかの分別が難しいものもありますが、いずれにしても名詞で覚えてしまえばいいのです。
[疾患名]
喘息: asthma
花粉症: hay fever (allergic rhinitis)
じんましん: hives (urticaria)
ニキビ: acne
日焼け: sunburn
ドライアイ: dry eye
片頭痛: migraine
高血圧: high blood pressure (hypertension)
不整脈: irregular heartbeat (arrhythmia)
不眠症: insomnia
てんかん: epilepsy
貧血: anemia
骨粗鬆症: weak bones (osteoporosis)
痛風: gout
潰瘍性大腸炎: ulcerative colitis
膀胱炎: cystitis
カンジダ症: yeast infection (candidiasis)
水虫: athlete's foot
※( )内はやや専門的な表現です。他にも専門用語はありますが、比較的一般の方にも伝わる単語のみ記載しました。
[症状]
熱: fever
くしゃみ: sneeze
鼻水: runny nose (nasal discharge)
鼻詰まり: stuffy nose (nasal congestion)
下痢: diarrhea
胸焼け: heartburn
動悸: palpitation
かゆみ: itch
つわり: morning sickness
ほてり: hot flash
むくみ: swelling (edema)
頻尿: frequent urination
患者さんに英語で薬の効能を伝えよう
さっそく、これらの単語を使って効能を伝えてみましょう。今回も日本語を直訳しようとせずに、何のための薬なのかをストレートに伝えるのがポイントです。
<公式>
「これは〇〇のお薬です」
“This is for your 〇〇.”