電話でのフォローアップの薬歴記載
電話でフォローアップしたときの薬歴記載はどうすれば良いのでしょうか? 処方せんを受け付けたわけではないので、薬歴は書かなくても良いのでしょうか? 会社からは「フォローアップをちゃんとしたという証拠を残せ」とは言われていますが、どう書くのか統一の決まりはないようです。私は、前回の処方せんを受け付けた薬歴の後に追記する形で、メモを残しています。
(症例)
前回(第76回『薬歴ビフォーアフター』)の患者さん。来局後3日目に電話でフォローアップ。前回は「お酒が飲めないなら薬は飲みたくない」という患者さんを説得して、なんとかお酒を控えてお薬をちゃんと飲むと約束してくれました。その後どうなったでしょうか?
前回の処方は次の通り。
〈処方〉
Rp.レクサプロ錠10mg 1錠 分1 夕食後 20日分
Rp.ロラゼパム錠0.5m 1錠 屯用20回分 不安時
薬歴Before
(前回分の薬歴の最後に追記)
- お薬を貰った次の日から飲み始める。最初はお酒を我慢した。昨夜は我慢できずにグラス1杯ほど日本酒を飲んだ。これまでに比べるとだいぶ少なく、お酒を控える意識はちゃんとある。
- 今朝は気持ち悪くて朝食は食べられなかった。休職の手続きに会社に行こうとすると、不安でいてもたってもいられなくなり、ロラゼパムを飲んだら気分は楽になった。その後も毎日ロラゼパムは飲んでいる。「頑張って飲んでみるよ」とのこと。
薬歴とは薬剤師の医療記録。フォローアップでもきちんと書こう!
フォローアップの記録についてのお悩みです。フォローアップの記録はどのようにすればよいのでしょうか。
まず、フォローアップも薬剤師としての立派な医療行為です。薬歴とは薬剤師の医療記録ですから、医療行為はすべて記録されなければなりません。たしかに処方せんを持ってきていないので、レセプト請求は発生しません。しかし医療行為は行っているわけですから、ちゃんと新しい日付で記録を立ち上げ、通常の服薬指導と同様にきちんと記録しましょう。
この時、処方せんは受け付けていないので、処方薬はありませんが、最後の来局時の処方内容を日付とともに記載しておくと、内容との関連がわかりやすくなります。ただ、閲覧するときに、前回の記録と連続してすぐに一覧できる場合は、(フォローアップのため処方薬なし)等の記載でも構いません。
ただ、現実にはみなさんの薬局の薬歴ソフトの仕様がどうなっているかに関わってきます。処方せんを受け付けていないのに新しい日付で記録を立ち上げることができない仕様の場合は、しょうがないので、直近の来局日の最後に追記するしかありません。そのあたりはそれぞれの薬局で工夫して、記録の仕方を薬局内のルールとして決めてください。