次回にまわす「気づきポイント」を薬歴にはどう書く!?
「お昼の分の薬は余っている」という患者さん。なぜ昼の薬が飲めないのか気になったのですが、患者さんからダビガトランの用量についての質問があったので、そこはスルーした形になってしまいました。もっと掘り下げるべきだったでしょうか。薬歴にはどう書け ばいいのでしょう?
(症例)
70歳 女性
Rp. アトルバスタチン錠10㎎ 1錠
ランソプラゾールOD錠15㎎ 1錠
アスピリン錠100㎎ 1錠
分1 朝食後 60日分
Rp. ダビガトラン75㎎ 4カプセル
分2 朝夕食後 60日分
いつもはこれ以外に
Rp. ニコランジル錠5㎎ 3錠
ジルチアゼム塩酸塩錠30㎎ 3錠 分3 毎食後
が出ていたが、今回は処方されていない。
薬歴Before
S) | 1日3回の薬は、お昼の分が飲めないことがあり、余ってきているので、今回はなしでお願いしました。 |
S) | ダビガトラン、不整脈の手術をする以前は110㎎を朝夕1カプセルずつ飲んでいました。今、75㎎を2カプセルずつ朝夕なのですが、量としては多くないですか?減らせるものなら減らしたいんですが。 |
O) | ニコランジル、ジルチアゼムは次回まで手持ちがあるため、今回は処方なし。 |
A) | 不整脈の手術をした後に脳梗塞が見つかったとのことなので、さらなる梗塞を起こさないために、プラザキサはこの用量であることが推測される。 |
P) | 不整脈の手術で脳梗塞が見つかった、とのことなので、さらなる梗塞を生まないためにも、この用量設定になっていると考えられます。でも、ご心配でしょうから、次回の受診時に、Drに確認されることをお勧めします。 |
Pnext) | プラザキサの用量設定につき、Drから詳細な説明を受けられたかどうか確認してください。 |
患者さんからの質問は最優先で
薬剤師として、「なぜお昼の薬だけ残っているのだろう」と気になるのは、とても素晴らしいことです。これこそまさに「気付きポイント」であって、掘り下げて聞いてみるべきところであるのは間違いありません。
ただ、その日取り扱うプロブレムとしての優先順位は、患者さんが気になっていること優先です。これは絶対です。以前も触れたと思いますが、かかりつけの患者さんの場合は、その日取り扱うプロブレムは一つに絞ることが、効果的な服薬指導のために大切なことなので、今回は患者さんの質問されたことに焦点を当てたのは、正しい判断です。他の気付きポイントは、緊急度が特に高い場合を除き、次回以降に取っておきましょう。
そしてそのような「次回以降に廻したい気付きポイント」は、薬歴にそれを記載しておきましょう。Pnextをうまく活用することと、SOAP以外の箇条書きのところに、自分がなぜ気になったのかを率直に記載しておくと次の時にお話を聞きやすくなります。