薬歴ビフォーアフター~薬歴の悩み、解決します~

更新日: 2026年5月26日 岡村 祐聡

SOAPのAとOの関係をしっかり見極める

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お悩み

ヘルペスで受診した患者さんがステロイドを塗っていました。医師からも使わないようにと注意を受けたようですが、本人は「良く効くのに」とあまり納得していない様子です。しばらくいろいろお話して、一応は納得してくださったと思うのですが、こんな薬歴でよいでしょうか?

(患者)
73歳 男性。


〈処方〉
バラシクロビル500mg 2錠 1日2回 朝夕食後5日分

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薬歴Before

S) 唇になんかできものができて1週間ほど軟膏を塗ってるけど治らずに受診しました.ヘルペスって言われました。医師からは今日の飲み薬を飲んでこの塗り薬は使わないようにと強く言われたけどなんで?
O) ずっと以前、唇にできものができた時もらったこの塗り薬(デキサルチン軟膏)を塗っていた。なかなか良くならなくて血も出てきたので受診した。最近、体もなんとも言えない怠さもあって体調不良。
A) デキサルチン軟膏だけを塗っていてはかえって悪化の可能性もあるので、中止して内服のみにした方が良い。
P) この軟膏はとてもよく効くお薬なのですが、以前この薬が出た時と今回は原因が違うので、良くなるどころかかえって悪化する危険性があります。先生のおっしゃる通り塗り薬は塗るの止めて、飲み薬だけ飲んでください。
S₂) 今まで塗るとすぐよくなっていたけど。原因が違うのか。先生に言われた通り飲み薬だけにしてみるよ。
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プロブレムの中心はどこか考えよう

SOAPは、一見きれいに書けているようには見えます。しかし、Aの理由、根拠がOになければいけないのですが、A「デキサルチン軟膏では悪化の可能性もある」の理由がOには全く書いていないですね。

さて、そもそも、アセスメントはこれで良いのでしょうか。プロブレムの中心を考えてみましょう。

ヘルペスという診断は医師から出ているわけですし、医師からデキサルチン軟膏を塗らないように「強く」言われたと患者さんがおっしゃっています。それに対して、薬剤師が「デキサルチン軟膏だけを塗っていてはかえって悪化の可能性もあるので中止して内服のみにした方が良い」と改めて判断する必要があるのでしょうか? これは違うと思います。

この患者さんに対する薬剤師としてのプロブレムは、「医師からデキサルチン軟膏は塗らないように強く言われたけど、それがなぜだかわからない」→「しっかり理解してもらいたい」ではないでしょうか。

医師のプロブレムと薬剤師のプロブレムは違う

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岡村 祐聡
おかむら まさとし

有限会社服薬ケア研究所所長。明治薬科大学薬学部薬剤学科卒業。
都内調剤薬局や調剤薬局チェーンの教育担当管理職を経て、1997年に『服薬ケア研究所』を設立。
「服薬ケア」理論を各地で提唱し続け、全国各地で開催される研修会や服薬セミナーなどでも精力的な活動を行っている。 2002年に設立した「服薬ケア研究所」は、2021年に「一般社団法人服薬ケア医療学会」へと組織変更。理事長へと就任。薬剤師の医療の向上のため活動を続けている。

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