『まとめ抗菌薬』の山口浩樹医師が解説!わかりやすい!抗菌薬の処方意図

更新日: 2025年6月3日 山口浩樹

「マクロライド耐性百日咳」の抗菌薬はクラリスロマイシン?ST合剤?

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百日咳は、特有の咳発作を引き起こす気道感染症で、特に乳幼児では重篤化しやすく注意が必要です。近年、第一選択薬であったマクロライド系抗菌薬に耐性を持つ百日咳菌が増加し、治療が難しくなるケースが国内外で報告されています。本稿では、このマクロライド耐性百日咳に対する治療戦略について解説します。

本日の患者背景

13歳男児。定期接種のワクチンは全て接種していたが追加接種の3種混合ワクチンは接種していない。

10日前から感冒症状があり、徐々に咳嗽が増悪した。咳込むあまり嘔吐することもあり、咳嗽後に笛声喘鳴を伴うこともあった。

クラス内で友人数名が同様の症状があり、うち1人は百日咳と診断されアジスロマイシンを内服したにも関わらず症状が続いていた。

症状や病歴から百日咳が疑われ、鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査を実施。その後、アジスロマイシン内服で治療されたが、内服後も症状が続くため再診した。再診した際に初診時のPCRで百日咳菌陽性と判明した。

抗菌薬処方クイズ

本日の患者さんに処方する抗菌薬として適切なものを、①~③から選んでください。

  • アモキシシリン
  • クラリスロマイシン
  • ST合剤

山口医師が百日咳への抗菌薬の処方の意図を解説


正解: 表示

マクロライド耐性百日咳の治療のポイント

1、ST合剤の活用1)2)

前述のとおり、マクロライド耐性百日咳が疑われる場合の第一選択薬として、ST合剤が推奨されます。ただし、マクロライド系抗菌薬と比べてST合剤は副作用の発生頻度が高く、発疹、腎機能障害、血球障害といった副作用に注意する必要があります。

また、サルファ剤に対して過敏症の既往がある方や、2ヶ月未満の乳児・低出生体重児(高ビリルビン血症、核黄疸リスクのため)、妊婦(催奇形性、新生児の高ビリルビン血症リスクのため)には使用できません。

2、重症例やST合剤禁忌例に対する注射用抗菌薬の選択2)

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山口浩樹
やまくちひろき

医師16年目。日本感染症学会専門医・指導医。鹿児島生協病院勤務。 フォロワー数2.1万人のXアカウント「新米ID」(@black_kghp)で感染症診療や研修医教育に関するまとめ情報を発信。著者『まとめ抗菌薬 表とリストで一覧・比較できる、特徴と使い方』(羊土社)がある。

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