"Withコロナ"時代、診療環境はどう変わる?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
m3.com薬剤師会員に、新型コロナウイルスの流行後のご自身のライフスタイルの変化と"Withコロナ"時代における診療環境の変化についてうかがいました。
新型コロナウイルスの流行によって医療業界で働く薬剤師のライフスタイルや診療環境はどのように変化していったのでしょうか。ウイルス流行後に、ご自身のライフスタイルにおいて変化はありましたか?と聞いたところ、68%の薬剤師が「ある」と回答しました。
今後の診療環境に関するアンケートでは、50%の薬剤師が「医療者の働き方が多様化すると思う」と回答。続いて「遠隔診療の導入が進むと思う」47%、「在宅医療が進むと思う」24%という結果になりました。
Q:新型コロナウイルスの流行以後、ご自身のライフスタイルにおいて変化はありましたか
ベン:
ウイルスの流行によって生活環境が大きく変わった人は多いよね。
Q:「withコロナ」ともいわれるこれから、ご自身の生活や、日常的な診療環境において当てはまりそうなことをお選びください。
ゼン:
コロナの世界的な大流行によって医療業界は変化を迫られていると言えるぜ。
Q:上記のようにお答えになった理由について教えてください。
遠隔医療の必要性
- オンライン診療や、オンライン服薬指導など、コロナの影響により医療の分野でも新しい取り組みが始まってきていると感じるから。
- 遠隔診療は、医療特区のみで行われているが、今回の件で必要性がかなり高くなっていると思う。
- 膝を合わせて話さなくても薬が手に入るようになったので、在宅でオンライン診療のシステムを導入できれば、どんどん希望者は増えると思う。受診の付き添いの手間も減る。
- 環境消毒など感染対策はコロナ以前より手をかけることが増えるため、仕事は忙しくなる。今回の措置で在宅にいながらのオンライン受診や電話による問診での処方ができるなら今後も続けてほしいと希望する人が増えると思う。
- 診察よりも薬局の遠隔服薬指導や遠隔フォローが増えそう。今回の件で薬の郵送や遠隔指導に慣れた方が元に戻れないような気がします。
- 電子化が可能な部分に関してはどんどん電子化が進み、人でなければいけない部分との棲み分けが進んでいくと思います。
- コロナウイルスは金属やプラスチックにも生存時間が長く、飛沫感染しやすい。発症の前にうつってしまうこともある。この為、なるべく感染者に近づかないで済む生活環境が必要になる。医療機関を利用する人の多くは基礎疾患を持つ高齢者のため感染した場合のことを考えるとなるべく電話で受診、ネット回線を利用した受診が必要になる。
- 医療の現場でも、接触の機会を減らした診療などが導入されてくると考えられるが、そのような中で人とのコミュニケーションをいかにしてとるかが大事になるので、思考錯誤が必要かと思う。
病院や診療所の経営が悪化
- 患者さんがコロナ感染を怖がり通院しなくなったため、経営が悪化し、雇用できなくなったり閉院する病院が続出すると思われる。
- 不要不急の外来受診の患者は減り、中小の病院、個人の医院の経営が存続できるか厳しい状況になりそうと考える。
Q:今後の社会においてどのような変化があり得ると思いますか?大胆な予測内容も含め、お考えをお聞かせください。
遠隔医療の発展
- 遠隔診療が進展していき、薬局もそれに合わせた遠隔投薬可能になるのでは?
- 採血を自宅で行うキットなどが普及してより一層遠隔診療が進むと思う。
- 診察のほとんどがオンライン化され、検索をする時だけ受診するようになるのではないでしょうか。支払いは電子マネーになりオンライン受診したときに決済される。処方箋も同様に電子化され、薬局にはほとんど人が来なくなり、OTCはネット販売のみになる。薬は未開封で渡すようになり錠剤業務がほとんどなくなるかもしれません。
- レフィル処方箋ができるのではと考えている。オンライン診療・服薬指導は増えていくだろう。現状では電話服薬指導のみだが、動画での服薬指導が普及してくるのではと思う。
電子署名の普及
- 記名・押印というような日本独特の伝統が、テレワークや電子署名にとって代わることでよりリベラルになって行くのではないかと思います。行政文書なども電子的記録が用いられるようになる可能性もありますが、セキュリティと改竄防止により一層注力しなければならないと思います。
- 高齢者がメインターゲットなので限定的でしょうが、電子化に抵抗があった人も強制的に電子化対応させられる。病院や薬局もそれに対応しなければいけなくなるでしょう。
テレワーク人口の増加
- 各種イベント・コンサート関係、外食産業などの落ち込み。地方へ移住してテレワークする人が増える。東京の人口減。
医療機関の設備、医薬品の販売規制の緩和
- 医薬品や医療機器の販売規制の変化(コンビニやホームセンターで販売できる種類が増える)医療従事者不足とライフスタイルの多様化により、在宅医療で家族による医療行為が増える。
- 今後は、新しい感染症に備え、医療機関では特に人の導線を考えた構造設備が求められる。許認可の際にはそのような内容まで踏まえ、感染症発生時に感染者と非感染者のゾーニングを徹底できるような厳しい要件を設定していったほうが良いと思う。
ベン:
コロナの流行が、電子化や遠隔診療の発展を後押しするという声が多かったね。
ゼン:
薬剤師の働き方も、変化を求められていることは間違いないぜ。
カン:
感染者数もまだ減少していないし、感染予防対策は引き続き継続していく必要があるわね。
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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