新型コロナ「5類感染症」への引き下げ、賛成ですか?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
厚生労働省は5月8日に新型コロナウイルスの感染症法上の分類を、現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同様の「5類」に引き下げる方針を決定。移行に向けて自治体の準備や国民への周知など必要な感染対策や医療体制の構築を行うため、3か月の準備期間が設けられています。
これにより感染者に対する入院の勧告や就業制限、外出自粛など自宅療養の要請は不要となり、入院患者の受け入れを含め幅広い医療機関で受診できる体制が整います。しかし一方で、死亡する割合が第8波に入り急増しており、5類への移行によって死亡者が増加する可能性が指摘されています。
そこでm3.com薬剤師会員の皆さんに、新型コロナウイルスの「5類感染症」への引き下げについてうかがったところ「賛成」57%と回答。また5類への移行によるご勤務先(薬局や病院など)の負担に関しては「増える」25%、「減る」24%となり意見が分かれる結果となりました。
その他、医療体制や費用など5類の移行に向け、さまざまな意見が寄せられています。
Q1:新型コロナの「5類感染症」への引き下げについてどう思いますか?
ベン:
どちらともいえないという意見も一定数いたね
Q2:Q1で回答された理由について具体的にお聞かせくだい。
賛成
- 社会的な拘束力が強すぎる。もしくはインフルエンザのように対応をはっきりさせる。中等症以上は公費で良いと思うが、軽症例に公費を使うのはいかがなものか
- 条件付き賛成、治療薬が高過ぎるので、タミフル、ラピアクタ注、程度の薬価に下げるのが条件
- インフルエンザ陽性の人がとコロナ陰性となり、「え〜お金払うの?」「お金持ってきてない。」と言われ、モラルハザードを起こしているとしか思えない
- コロナ数を把握する意味も特になく、5類の位置で十分と感じる
- 濃厚接触者による人員不足が問題になってきている
- 野生動物-ヒト、ヒト-ヒトにも感染する新型コロナが、地球上から消えることはなさそう
- もう国に貯蓄はないことを国民は理解しないといけない
- いまは原則面会禁止の状態で、終末期の入院患者であっても面会が制限されている。コロナ禍前のような面会、あるいは泊まり込みができるようになることを期待している
反対
- インフルとは明らかに違うことは自明
- 内科系、呼吸器等これ以上増えると、医療機関側も疲弊する。薬も入ってこないのにどうするのか
- まだ病態や治療法、予後、重症化について判明していない点が多くあり、時期尚早と思われる
- 特効薬がどこでも処方される環境ができるまでは引き下げるべきでない
- 現時点では、変異性のスピード、感染力の高さ、高齢者等の死亡者数等から、引き下げは時期尚早
- 感染力が強く変異株が次から次へと出てくる。ワクチン接種は無料、治療費は負担にしてはどうか
どちらともいえない
- 警戒心が薄れるのは怖いが日常を取り戻したい気持ちがある
- 有料になってしまい受診する人が減る可能性がある
- 高リスク患者に対して処方される薬(ラゲブリオやパキロビッド)が高価なので一定の補助は必要
- まだ変異が続いているので、あと2、3年は様子を見たほうがいい
- インフルより死亡する危険性が高いと思う
- 感染者が減っていないし、特に大都市での入院が逼迫している。しかし、公費での支出も限界が来ていると思うし、なかなか難しいところ
- 感染力が強い、死者数も多くなっている
- 新型コロナは、新5類とし治療薬(高価すぎるため)は公費負担が望ましい
Q3:「5類感染症」へ引き下げられた場合、ご勤務先の医療現場(薬局、病院など)の状況はどのように変化するとお考えですか?
ゼン:
変わらないという意見が多かったぜ
Q4:Q3で回答された理由についてお聞かせください。
負担が増える
- コロナ患者が市販薬を求めてウロウロするので、薬剤師が罹患し薬局機能停止する
- 隔離期間が厳密でなくなるため、いたるところでクラスターが起こり、社会生活は免疫力をある程度持つまでダウンすると思う
- コロナ治療薬等在庫管理(在庫額・払出し)が必要
- 感染対策はしているが、職員の健康管理が大変
- 現在駐車場で投薬しているが、金銭のやり取りが増えるだけで投薬にかかる時間が倍近くになる。ただでさえ時間のない中の対応なのにこれ以上手間が増えてはやっていられない
- いまの中国で起こっているような事態になりかねない
- 医療従事者の感染が増える可能性がある
負担が減る
- 業務の簡略化が期待できる
- 行き過ぎた感染対策が、業務を圧迫する
- 濃厚接触者の規定がなくなるため、人員の確保がしやすい
- 無症状、軽症の患者の検査希望が減ると思う
- ラゲブリオやバキロビットなどの治療薬の配達がなくなるから楽になる
- 入院に関しては少し余裕が出るのではないかと思う
分からない
- 現段階では想像もつかない。以前のインフルエンザのようになるとは思っている
- 発熱外来及びコロナ患者を受け入れしているが、街のクリニックが受け入れするか不明であり患者が減るのか判断できない
- クラスターの発生は増えることが予想されるが、現実どうなるかはわからないため
変わらない
- ドライブスルーの患者が薬局内に来るだけであまり変わらない
- 周りのクリニックは基本的に発熱外来を受けていないので、どう変わるのか実感がわかない
- 病院はインフルエンザでも閉鎖になるので感染力の強いウイルス相手なら対応は変わりません
- 支援が必要な高齢者数は変わらない
- 濃厚接触者が曖昧になり、医療従事者の負担は減るように思えるが、実際はインフルエンザのように安価で有効性の高い内服薬や吸入薬が出てこない限り、治療には苦戦することが予測されるため。また知らずに感染者が増え、医療従事者どうしや施設で蔓延するリスクが常にある
ベン:
5類への移行に向け、いろんな意見を聞くことができたね
ゼン:
感染対策は引き続き必要だぜ
カン:
医療従事者の負担が少しでも減るといいね
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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