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調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2025年6月1日 薬剤師コラム編集部

【2024年度改定版】麻薬管理指導加算の算定要件や改定内容をわかりやすく解説

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2013年に厚生労働省より発表された「患者のための薬局ビジョン」でも示された通り、近年薬剤師が高度で専門的な医療に積極的に関与し、その役割を十分に果たしていくことが期待されています。麻薬を使用する患者に対しても、薬剤師による適切な薬学的管理が欠かせません。

本記事では、麻薬管理指導加算の算定要件や、薬剤師が実施するべき事項、在宅患者に対する算定条件等について詳しく解説していきます。

麻薬管理指導加算とは

麻薬管理指導加算とは、麻薬を使用中の患者や家族に対し必要な薬学的管理や指導を行った際に算定が可能な項目です。麻薬の適正管理における薬剤師の取り組みを評価するものであり、服薬管理指導料等の薬学管理料に対して加算します。

在宅医療の推進に伴い、麻薬を調剤する機会も増えており、地域支援体制加算などの施設基準にも麻薬に関する項目が設定されています。麻薬を使用する患者の治療に薬剤師が積極的に介入することへの期待は年々高まっているといえるでしょう。

2024年度改定における変更点

2024年度の診療報酬改定において、麻薬管理指導加算の算定要件に関する以下2点の項目が追加されました。

【麻薬管理指導加算の算定要件の追加項目】

  • 電話の他に情報通信機器を用いた方法も含まれるが、患者等に一方的に情報発信すること(例えば、一律の内容の電子メールを一斉送信すること)のみでは継続的服薬指導を実施したことにはならないため、個々の患者の状況等に応じた必要な対応を行うこと。
  • 麻薬による鎮痛等の効果や患者の服薬中の体調の変化の有無の確認等に当たっては、「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」(日本緩和医療学会)、「新版 がん緩和ケアガイドブック」(日本医師会監修 厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班」)等の緩和ケアに関するガイドラインを参照して実施すること。

引用元:令和6年度診療報酬改定の概要【調剤】 /厚生労働省

従来の算定要件では、フォローアップの方法やガイドラインについては具体的な記載がありませんでしたが、今回の報酬改定において明確化されました。

麻薬管理指導加算の点数と算定要件

麻薬管理指導加算は、麻薬の投薬が行われている患者に対し、必要な薬学的管理や指導行った場合に、以下の点数を算定することができます。
加算の対象となる算定項目ごとに麻薬管理指導加算の点数が変わってくるため注意が必要です。

麻薬管理指導加算の対象項目と点数

対象の算定項目 点数
服薬管理指導料 22点
かかりつけ薬剤師指導料
在宅患者訪問薬剤管理指導料 100点
在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
在宅患者緊急時等共同指導料
在宅患者オンライン薬剤管理指導料 22点
在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料

参照元:調剤報酬点数表 /厚生労働省

ここからは、麻薬管理指導加算を算定するために薬剤師が実施するべきことを確認していきましょう。

1)麻薬の使用に関して必要な指導を行う

医療用麻薬に関しては薬の特性上、使用目的を明確にし、適正に管理をしていくことが重要です。
服薬指導の際は、以下の点を患者または家族に対して必ず指導・確認しましょう。

【麻薬に関する指導・確認内容】

  • 麻薬の服用状況
  • 麻薬の保管管理状況
  • 残薬の状況
  • 麻薬の継続又は増量投与による体調変化
  • 副作用の有無

2)緩和ケアに関するガイドラインを参照する

2024年度の診療報酬改定において、麻薬による鎮痛等の効果や体調変化を確認する際は、以下に挙げる緩和ケアに関するガイドラインを参照して実施することが求められました。

【緩和ケアに関するガイドライン】

  • がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン/日本緩和医療学会
  • 新版がん緩和ケアガイドブック/日本医師会監修厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班

3)薬歴に必要事項を記載する

麻薬管理指導加算を算定した際には、指導の要点を薬剤服用歴等に記載する必要があります。
患者から得られた情報や指導内容に関して、薬歴にもれなく記載をするようにしましょう。

また、患者や家族から調剤済みの麻薬が返納された場合は、都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴に添付するなど、その旨も適切に薬歴に記載する必要があります。

4)調剤後も継続して必要な薬学的管理を行う

外来患者に対して麻薬管理指導加算を算定する場合は、服薬指導のみならず、調剤後も電話等により定期的に服薬状況や残薬の状況、保管状況、副作用の有無等を確認することが求められています。

メールを一斉送信するなど、患者等に一方的に情報発信することのみでは継続的服薬指導を実施したことにはならないため、電話等の相互にコミュニケーションが取れる方法で実施しましょう。

麻薬管理指導加算の算定要件についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

在宅患者に対する麻薬管理指導加算の算定

麻薬の処方を受けている在宅患者に対しても、同様に麻薬管理指導加算の算定が可能です。
麻薬管理指導加算を算定できる指導料は以下の通りです。

【麻薬管理指導加算を算定できる在宅関連の指導料】

  • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者オンライン薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料
  • 在宅患者緊急時等共同指導料
  • 居宅療養管理指導費 

薬剤師が実施すべきおおむね外来の患者と同様ですが、在宅患者に対しての算定において注意するべきことが2つあります。以下で解説します。

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薬剤師コラム編集部

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