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調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2025年6月1日 薬剤師コラム編集部

【2024年度改定版】乳幼児服薬指導加算の算定要件や改定内容をわかりやすく解説

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乳幼児服薬指導加算とは、6歳未満の乳幼児の調剤時に、服用に関する必要な指導を行いその内容をお薬手帳に記載することで算定できる項目です。算定要件はわかりやすいですが、服薬指導や手帳への記載内容に悩んでいる薬剤師さんもいるのではないでしょうか?

そこで今回は、乳幼児服薬指導加算の詳細だけでなく、算定に迷うケースや服薬指導・お薬手帳への記載内容の例文を紹介していきたいと思います。

乳幼児服薬指導加算とは

乳幼児服薬指導加算とは、乳幼児(6歳未満)の患者またはその家族に対して、服用に関する必要な指導を行うことで算定できる項目です。乳幼児服薬指導加算は、『服薬管理指導料』または『かかりつけ薬剤師指導料』に加算することができます。オンラインによる服薬指導でも算定可能です。

乳幼児の調剤に関する加算は他にも算定項目があるので、間違えないように違いを確認しておきましょう。

区分 要件 点数
乳幼児服薬
指導加算
6歳未満の乳幼児の調剤時に、服用に関する必要な
指導を行いその内容をお薬手帳に記載
12点
乳幼児加算 6歳未満の乳幼児に対して、患家を訪問し必要な
薬学的管理および指導
をおこなった場合
100点
(オンラインは
12点)
小児特定加算 医療的ケア児(18歳未満)に対して、必要な薬学的
管理および指導をおこなった場合
450点
(オンラインは
350点)

参照元:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省

小児特定加算の算定要件をさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

乳幼児服薬指導加算の算定要件と点数

乳幼児服薬指導加算の算定要件は、6歳未満の乳幼児の処方せん受付時に、年齢・体重・適切な剤形その他必要な事項等の確認を行った上で、患者の家族等に対して適切な服薬方法・誤飲防止等の必要な服薬指導を行い、お薬手帳に記載した場合に12点を算定することが可能です。

また、乳幼児服薬指導加算を算定した処方薬剤の服用期間中に、患者の家族等から電話などにより処方薬剤に関する問い合わせがあった場合には、適切な対応及び指導等を行う必要があります。

薬の種類ごとの服薬指導例

実際に、乳幼児に服薬指導を行う指導例を5つご紹介していきます。服薬指導に迷った際はぜひ参考にしてみてください。

粉薬

初めて粉薬を服用する場合は、スポイトの使用がおすすめです。粉薬を水で溶かし、少しずつ(0.5mlくらいずつ)服用すると吐き出さずに上手に飲ませることができます。

その他にも、粉薬に水を加えてペースト状または丸めてお団子にし、頬の内側や上あごに貼り付けて、飲み物で流し込む方法もあります。スポイトでお薬を飲むのが苦手な子におすすめです。

薬を飲みたがらない場合

子供用の粉薬は甘いものでコーティングされていますが、口の中に残っていると苦味が溶け出し薬を飲みたがらなくなってしまうこともあります。
そのような時は、砂糖を加えるなどすると粉のままでも飲みやすくなります。その他にも、スプーン1杯程度のチョコレートクリームや練乳など、粘度のある甘いものと一緒に飲ませる方法もおすすめです。

シロップ剤

シロップ剤は、軽く振って中身を均一にしてから、1回分をスポイトやスプーンに移すと飲ませやすくなります。コップ飲みができる子は小さなカップで飲ませることも可能です。哺乳瓶を使用している乳児の場合は、乳首にシロップを入れて飲ませる方法がおすすめです。

坐薬

坐薬をスムーズ入れるポイントは、坐薬の尖った方を指で少し溶かすか、ベビーオイルなど滑りやすくするもの塗ることで入れやすくなります。
子どもを仰向けに寝かせた状態で両足を上げ、坐薬を入れたら肛門から指を放さずに、30秒〜1分間軽く押さえておくことで坐薬が出てきづらくなります。

塗り薬

塗り薬は、医師の指示を確認してから塗る順番や塗り方の指導を行います。強く擦り込まないよう優しく伸ばすように指導してください。

個別指導時は手帳・薬歴への記載が要注意

乳幼児服薬指導加算の算定要件でもご紹介しましたが、12点を加算するには服用に関する必要な指導を行い、その内容をお薬手帳に記載することが要件となっています。
個別指導の際はこれらへの記載が適切におこなわれているか、チェックを受けることも多く、日頃から適切に記録に残すようにしましょう。

どのようなことを記載すればいいのかわからないという方は以下の文章を参考にしてみてください。

お薬手帳への記載例

『飲み忘れた時は気づいた時に1回分を飲ませてください。(次の時間が近い時は1回飛ばしてください)』

『今回のお薬はジュース等に混ぜても大丈夫です。なるべく少ない量で溶かしてください。』

『お子さんがお薬を誤飲しないように、薬袋に入れた状態で手の届かないところへ保管してください。』

コメントは手書きでなくても算定可能なので、よく使う文言をシール等にしておくと便利です。

乳幼児服薬指導加算を算定できるか迷う例

乳幼児への服薬指導時に「お薬手帳を忘れた」「外用薬のみの処方」といったケースで、算定可能か迷ってしまうことがあるかと思います。正しく乳幼児服薬指導加算を算定できるように確認していきましょう。

手帳の持参がない場合

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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