【2026年度改定版】特別調剤基本料A・Bの算定要件をわかりやすく解説
2026年(令和8年)の診療報酬改定では、特別調剤基本料Aに関する見直しが行われました。敷地内薬局を取り巻くルールにも変更が加えられており、今後の薬局運営にも影響する内容となっています。
本記事では、特別調剤基本料A・Bの算定要件や施設基準、2026年度改定のポイントについてわかりやすく解説します。
特別調剤基本料とは
特別調剤基本料とは、一定の要件に該当する薬局が算定する調剤基本料で、「特別調剤基本料A」と「特別調剤基本料B」の2種類があります。
- 特別調剤基本料A(5点):いわゆる同一敷地内薬局など
- 特別調剤基本料B(3点):調剤基本料の施設基準に係る届出を行っていない薬局
調剤基本料1・2・3では20点〜47点が算定できる一方、特別調剤基本料では点数が低く設定されているのが特徴です。
これは、医療機関と薬局の独立性を確保し、医薬分業を推進する観点から、いわゆる敷地内薬局に対する評価が厳格化されているためです。
参照:令和8年度診療報酬改定の概要 【調剤】 /厚生労働省
2026年度改定における特別調剤基本料Aに関する変更点
2026年度(令和8年度)の調剤報酬改定では、特別調剤基本料Aに関して主に以下の3点の見直しが行われました。
①へき地等における敷地内薬局の取り扱いについて
②同一建物内に診療所が所在する場合について
③同一敷地内にオンライン診療受診施設が設置される場合について
それぞれの内容を詳しくみていきましょう。
①へき地等における敷地内薬局の取り扱いについて
これまでへき地等において、地方自治体の所有する土地に所在する診療所の敷地内に所在する保険薬局である場合、特別調剤基本料Aが算定されていました。
ただし、2026年度の調剤報酬改定において、周囲に他の保険薬局がない等の場合は、調剤基本料1を算定できるよう見直されています。
調剤基本料1の施設基準では、以下のように記載されています。
【調剤基本料1の施設基準より抜粋】
(2)次のいずれにも該当する保険薬局であること。
イ 当該保険薬局が地方公共団体の所有する土地に所在する保険医療機関(診療所に限る。)または地方公共団体の開設する保険医療機関と同一の土地または建物に所在すること。
ロ イに規定する保険医療機関がへき地の医療の提供のために必要な診療所として都道府県知事に認められたものであること。
ハ 当該保険薬局から水平距離4Km以内に他の保険薬局がないこと。
このように、へき地等における一定の敷地内薬局においては、地域医療の維持という観点から、例外的に調剤基本料1を算定できるよう見直された改定といえます。
②同一建物内に診療所が所在する場合について
2026年度の改定では、特別調剤基本料Aの施設基準における、「薬局と同一の建物内に診療所が所在する場合は特別調剤基本料Aを算定しない」という除外規定が削除されました。
ここでいう同一建物内とは、外観上分離されておらず、また構造上も外壁・床・天井・屋根といった建物の主要な部分が一体として連結し、あるいは密接な関連をもって接続している場合をいいます。
ただし、令和8年3月4日以前から当該保険薬局の所在する建物内に診療所が所在している場合には、経過措置が設けられています。
2026(令和8)年3月5日以降、その診療所が所在し続けており、かつ新たに他の保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有しない場合は、当面の間ここでいう「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」には該当しないものとみなされます。
③同一敷地内にオンライン診療受診施設が設置される場合について
特別調剤基本料Aの施設基準において、薬局と同一の敷地内にオンライン診療受診施設を設置する場合には、特別調剤基本料Aを算定する旨の規定が新設されました。
参照:令和8年度診療報酬改定の概要 【調剤】 /厚生労働省
特別調剤基本料Aの算定要件と施設基準
特別調剤基本料A(5点)は、以下の施設基準のいずれかに該当する保険薬局において、調剤基本料に係る届出を行っている場合に算定可能な項目です。
なお、調剤基本料の施設基準に係る届出は、別添2の様式 84 を用いて行います。
【特別調剤基本料Aに関する施設基準】
(1)保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局であって、処方 箋集中率が50%を超えるもの。
(2)同一敷地内においてオンライン診療受診施設を設置しているもの。ただし、医療法第30 条の4第1項に規定する医療計画におけるへき地に所在する保険薬局に設置されている場合を除く。
「保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係を有している保険薬局」とは、次のアからエまでのいずれかに該当するものです。
【保険医療機関と不動産取引等その他の特別な関係】
ア:当該保険医療機関と不動産の賃貸借取引関係にある保険薬局である場合
イ:当該保険医療機関が譲り渡した不動産(保険薬局以外の者に譲り渡した場合を含む。) を利用して開局している保険薬局である場合
ウ:当該保険医療機関に対し、当該保険薬局が所有する会議室その他の設備を貸与している 保険薬局である場合
エ:当該保険医療機関から開局時期の指定を受けて開局した保険薬局である場合
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号) /厚生労働省
特別調剤基本料Aの薬局における他項目の点数や算定可否
特別調剤基本料Aを算定している薬局では、他の算定項目が減算になったり、算定不可となったりするケースがあるため注意が必要です。
| 区分 | 要件 |
| ・地域支援・医薬品 供給対応体制加算 ・バイオ後続品調剤体制加算 ・在宅薬学総合体制加算 |
それぞれの点数の100分の10に相当する点数を算定 |
| 連携強化加算 | 厚生労働大臣が定める医療機関が、外来感染対策向上加算又は感染対策向上加算の届出を行っている場合は算定不可 |
| ・特定薬剤管理指導加算2 ・吸入薬指導加算 ・かかりつけ薬剤師訪問加算 ・服用薬剤調整支援料2 ・外来服薬支援料1 ・調剤後薬剤管理指導料 ・服薬情報等提供料 |
厚生労働大臣が定める医療機関への情報提供を行った場合は算定不可 |
| 使用薬剤料 | 処方につき7種類以上の内服薬の調剤を行った場合、所定点数の100分の90に相当する点数を算定 |
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
調剤基本料の算定要件に関して詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
特別調剤基本料Bの算定要件と算定不可の項目
特別調剤基本料Bとは、調剤基本料および特別調剤基本料Aの届出を行なっていない薬局が算定する調剤基本料です(3点)。
特別調剤基本料Bは、算定・加算できない項目が多いので以下の表で確認しておきましょう。
