【2026年新設】調剤時残薬調整加算の算定要件をわかりやすく解説
2026年度の調剤報酬改定では、残薬対策の強化を目的として「調剤時残薬調整加算」が新設されました。
従来の「重複投薬・相互作用等防止加算」に代わり新設された項目であり、日常的に算定する機会も多いと考えられます。正しく算定するためにも、要件を理解しておくことが重要です。
本記事では、調剤時残薬調整加算の算定要件や、減数調剤・7日ルールなどの迷いやすいポイントをわかりやすく解説します。
調剤時残薬調整加算(2026年新設)とは
調剤時残薬調整加算とは、対人業務を評価する薬学管理料の一つである調剤管理料に対する加算項目です。患者の残薬を把握・調整したうえで、適切な薬物療法につなげる取り組みを評価します。
2026年度の調剤報酬改定では、対人業務に関する見直しが行われ、「残薬対策・一元的管理の推進」が重要な柱として位置付けられました。これに伴い、以下の2つの加算が新設されています。
| 調剤時残薬調整加算 | 患者又はその家族等から残薬状況の聞き取りを行い、 残薬調整を実施した場合を評価 |
| 薬学的有害事象等防止加算 | 服用薬剤の一元的管理に基づく薬剤調整を評価 |
従来は、残薬調整を含む処方提案や疑義照会などの対応を「重複投薬・相互作用等防止加算」で一括して評価していました。
しかし2026年度の改定により、残薬への対応と薬学的リスクの防止をそれぞれ独立して評価する体系へと見直されたことで、重複投薬・相互作用等防止加算(および在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料)は廃止されています。
参照:令和8年度診療報酬改定の概要 【調剤】 /厚生労働省
調剤時残薬調整加算の算定要件
調剤時残薬調整加算の主な算定要件は、以下のように定められています。
患者又はその家族等から収集した情報等に基づいて残薬が確認された患者において、処方医の指示又は処方医に対する照会の結果に基づき、残薬の調整のために7日分以上相当の調剤日数の変更が行われた場合(別に厚生労働大臣が定める保険薬局において行われた場合を除く。)は、調剤時残薬調整加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
引用元:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省
このように調剤時残薬調整加算は、原則として「7日以上相当」の残薬調整を行った場合に算定が可能です。
ただし、残薬の有無を先に確認する必要がある点は抑えておく必要があります。
調剤時残薬調整加算の施設基準
調剤時残薬調整加算を算定するためには、手帳の活用実績に関する基準を満たしていることが求められます。
算定要件にある「厚生労働大臣が定める保険薬局」というのは、「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」のことです。
つまり、手帳の活用実績が不十分な薬局では、調剤時残薬調整加算を算定することができません。具体的には、3か月以内に再度処方箋を持参した患者への服薬管理指導料の算定回数のうち、手帳を提示した患者への服薬管理指導料の算定回数の割合で判定されます(小数点以下は四捨五入)。
- 50%を超える場合:算定可能
- 50%以下の場合:算定不可
手帳の活用実績は、前年5月1日から当年4月30日までの実績をもとに判定され、その結果が当年6月1日から翌年5月31日まで適用されます。
なお、一度基準を満たさなくなった場合でも、直近3か月間で手帳提示率が50%を上回れば、翌月からは「適切な手帳の活用実績が相当程度あると認められない保険薬局」に該当しないものとします。
参照:特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第71号) /厚生労働省
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号) /厚生労働省
調剤時残薬調整加算の対象患者と点数
調剤時残薬調整加算を算定する際は以下のイ〜ニの4区分に従い、処方受付1回につき1回、対象となる点数を算定します。
なお、複数の処方に対して残薬調整を行った場合も受付1回につき算定は1回です。
| 区 分 |
対象患者 | 点 数 |
| イ | 在宅患者へ処方箋が交付される前に処方内容を処方医に相談し、 処方に係る提案が反映された処方箋を受け付けた場合 | 50 点 |
| ロ | 在宅患者について調剤日数の変更が行われた場合(イの場合を除く。) | 50 点 |
| ハ | 服薬管理指導料「1のイ」または「2のイ」を算定する患者に対し、かかりつけ薬剤師により調剤日数の変更が行われた場合(イ又 はロの場合を除く。) | 50 点 |
| ニ | イからハまで以外の場合 | 30 点 |
イおよびロを算定する「在宅患者」とは、以下の算定項目を算定している患者のことを指します。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急時等共同指導料
- 居宅療養管理指導費
- 介護予防居宅療養管理指導費
従来の「重複投薬・相互作用等防止加算」の点数は、『残薬調整以外:40点』『残薬調整:20点』であり、今回の改定で点数が引き上げられました。
また、一元的・継続的管理を評価する観点から、在宅患者の場合またはかかりつけ薬剤師が実施した場合は50点とより高く設定されています。
参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省
