「DAPTをいつまで続ける?」PCI後12ヵ月目の疑義照会成功例
- 出血ハイリスクにより変更するDAPT( 抗血小板薬2剤併用療法)の継続期間
- DAPT(抗血小板薬2剤併用療法)を適用する患者への注意点
- DAPT(抗血小板薬2剤併用療法)からSAPTへ移行する際の服薬指導のポイント
DAPTと聞いてすぐにどういう意味か分かりますか?
Dual Anti-Platelet Therapy:抗血小板薬2剤併用療法のことを略してDAPTと言います。「バイアスピリン」と「エフィエント」、「バイアスピリン」と「クロピドグレル」など”血液サラサラ”の薬剤が2種類処方されていて、これって飲み続けていいの?と思ったことはありませんか?
今回はこのDAPTを取り上げます。薬剤師が介入できるチャンスを逃さないでほしいので、ぜひチェックしてくださいね!
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた70歳男性のデータ
例)70歳男性 Cさん
BW:63kg eGFR:66mL/分/1.73 m2 Hb:11.3
<処方>
- バイアスピリン錠100mg 1錠
- エフィエント錠3.75mg 1錠
- アムロジピン錠5mg 1錠
- ロスバスタチン錠2.5mg 1錠
分1 朝食後 30日分
約1年前に急性冠症候群のため入院。経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に冠動脈ステント留置済み。退院時処方からそのまま、出血傾向なく継続服用中。
「バイアスピリン」+「クロピドグレル」のドクター処方に疑義あり!
急性冠症候群の冠動脈ステント留置後は、血栓予防目的で「バイアスピリン」+「クロピドグレル」 or「 プラスグレル」を3〜12ヵ月間投与が標準とされている(*1)(エビデンスレベルⅠA)
DAPT(抗血小板薬2剤併用療法)継続期間は、アジア人が欧米人と比べて、血栓リスクが低く出血リスクが高いことを考慮し設定されている。
処方提案の成功例を紹介
薬剤師るみ: Cさんなんですが、DAPT(抗血小板薬2剤併用療法)を継続されて、今回でちょうど12ヵ月経過しております。PCI(経皮的冠動脈インターベンション)でステント留置後の患者さんであったため、よろしければ今回処方から1剤に減量していただけないかなと思い、ご連絡しました。
医師:確かに…もう1年になりますね。1年以上継続する症例はないの?
薬剤師るみ:海外では1年以上継続する場合もあるようですが、日本人はじめ、アジア人は出血リスクが高いため、2020年JCSガイドラインでは3〜12ヵ月が推奨となっております。
医師:そうなんですね。これってどっちを残したらいいの?
薬剤師るみ:ガイドラインでは、「エフィエント」の方が血栓イベント抑制効果が高いとされているため、エフィエントを残すことが推奨されています。
医師:では、特に懸念する理由もないから、エフィエントを残すようにしようかな。
薬剤師るみ:分かりました!では今回処方よりエフィエント単剤へ変更ですね。
【エビデンス チェック】 上記の処方提案の裏側を解説します!
1)疾患によってDAPT(抗血小板薬2剤併用療法)継続期間が違う!