院内肺炎(HAP)総論とエンペリックテラピー2
さて、院内肺炎(HAP)の第2弾として、グラム染色ができる場合を見ていきましょう。以前にも述べたと思いますが、グラム染色で検出される菌の中には、多くの定着菌が見える場合があるため、好中球貪食像などを考慮して起炎菌を絞り込みながら考えていく必要性があります。
グラム陽性菌
ブドウの房状の集塊をなす球菌(GPC in cluster) ブドウ球菌関連を想定し、以下の選択肢を考慮する。 |
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アンピシリン/スルバクタム点滴 | 1回3g | 1日3~4回 |
セファゾリン点滴 | 1回1~2g | 1日2~3回 |
クリンダマイシン点滴 | 1回600㎎ | 1日2~4回 |
ミノマイシン点滴 | 1回100㎎ | 1日2回 |
※早期院内肺炎、先行抗菌薬がない場合、あるいは気道吸引や気管切開など環境菌が気道に直達する条件下にない場合は、MSSAを想定し、晩期院内肺炎、先行抗菌薬がある場合、気管切開や人工呼吸器管理下にある場合は、感受性結果判明までMRSAをカバーすることを考慮する。 …