治療アプリの登場で医療はどう変化する?
治療アプリって言葉を聞いたことがありますか?治療アプリとは、その言葉の通り疾患を治療するアプリケーションのことで、診断を元に医師がアプリを処方し患者さんがそれを継続して使用することで疾患の治療を行なっていくというものです。2020年12月には、日本初の治療アプリが承認されています。
今回は、今後次々と承認されていくであろう治療アプリについて、個人的な考えも含めてまとめてみたいと思います。
治療アプリとDTx
インターネットが発展しスマートフォンが普及されたことで、デジタル機器は生活に欠かすことのできない存在になっています。それは「医療・健康・介護」の分野も例外ではありません。
その中で、健康や医療に関連するアプリも多く生まれています。歩数計や睡眠記録、体重や血圧、食事の内容や消費カロリーなど健康に関する数値を記録・分析する機能は多くの端末に標準搭載されており、一度は利用したことがあるのではないでしょうか。
薬局の業務の中でも電子お薬手帳、オンライン診療やオンライン服薬指導に関連するアプリに触れる機会が増えています。
例えば、時計型のウェアラブルデバイスとして有名なApple Watchには不整脈を通知するアプリが搭載され、その効果を検証する臨床試験(Apple Heart Study:時間的な制約なく,かつ非侵襲的に心房細動を検出可能かどうか)も行われています。
そんな中DTxという言葉が登場しており、この中に治療アプリも含まれています。DTxとはDigital Therapeutics(デジタルセラピューティクス)の略で、日本語ではデジタル療法と訳されます。
またDTxは米国のDigital Therapeutics Allianceによって「疾病の予防、診断、治療や、それを支援するソフトウエアなどのうち、安全性や有効性を検証し、規制当局から承認されたもの」と定義されています。治療アプリは他の健康関連のアプリと比較して、以下の点が大きく異なります。
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