GLP-1受容体作動薬の供給が不安定になっている原因は?
参考記事:GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫で、日本糖尿病協会が注意喚起 適正使用の遵守を
日本糖尿病協会はこのほど、「GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫に伴う各製剤の処方についてのメッセージ」を公式サイトに掲載した。製薬企業各社のGLP-1受容体作動薬の出荷状況を整理しつつ、「2型糖尿病患者が安心して治療を続けることが危ぶまれている現状を深く憂慮している」とし、適正使用の遵守を改めて呼びかけている。
GLP-1受容体作動薬のうち、週1回製剤(持続性GLP-1受容体作動薬)の供給が軒並み不安定になっており、治療の継続が困難になるケースも出ています。
1.GLP-1受容体作動薬の供給状況は?
まずは現在日本で承認されているGLP-1受容体作動薬とその供給状況をまとめます。
タイプ | 製品名 | 一般名 | 供給状況 |
連日投与 (皮下注) |
ビクトーザ®皮下注 | リラグルチド | 通常出荷 |
バイエッタ®皮下注ペン | エキセナチド | 通常出荷 | |
リキスミア®皮下注 | キリシセナチド | 通常出荷 | |
連日投与 (内服) |
リベルサス®錠 | セマグルチド | 通常出荷 |
週1回投与 (皮下注) |
トルリシティ®皮下注 アテオス® |
デュラグルチド | 出荷調整 B-④ |
オゼンピック®皮下注 | セマグルチド | 出荷調整 A-③ |
|
週1回投与 (皮下注) GIP/GLP-1作動薬 |
マンジャロ®皮下注 アテオス® |
チルゼパチド | 出荷調整 A-③ or B-② |
※オゼンピック皮下注SDは供給停止中
このように週1回投与製剤については全製品が限定出荷となっています。
限定出荷中の製品の供給制限の状況は
- トルリシティ®皮下注アテオス®:新規処方の中止、継続処方の切り替え依頼
- オゼンピック®皮下注:新規処方の中止
- マンジャロ®皮下注2.5mg/5mgアテオス®:新規処方の中止
- マンジャロ®皮下注7.5mg/10mg/12.5mg/15mgアテオス®:新規処方の中止(増量中止)
となっており、新規処方だけでなく、処方を継続するのが困難なケースも増えています。