慢性閉塞性肺疾患 ”タバコ病”の恐怖
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慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、主にタバコの煙などの有害物質に長期に曝露することによって起こる慢性の呼吸器疾患で、慢性的な気管支炎や肺胞の破壊による肺気腫が複合的に関与している進行性の疾患です。
2019 年の人口動態統計によると、COPD の死亡総数は17,836名(男性14,822名、女性3,014名)で、男性では死因の第8位となっています。一方で、COPDは、認知度が25%程度と、一般的にあまり認知されていない疾患とも言えます。
COPD の罹患者数は現在500 万人超と推定されていますが、実際に治療を受けているのはそのうち数十万人程度というのが現状です。
「吸入薬指導加算」の新設 薬剤師の吸入療法への期待値
COPDと診断された場合、何よりも重要なのは禁煙です。喫煙を続ける限りCOPD の症状は進行すると考えてよいでしょう。
COPDが進行すると患者さんは在宅医療へと移行しますが、その際に吸入薬をいかに継続するかは大きな課題としてあります。在宅の現場では、訪問薬剤師による細やかなサポートが必要になるでしょう。訪問薬剤師が吸入指導のスキルを習得し、吸入実施状況や薬剤の効果に鑑みて、スペーサーの使用や吸入薬変更を医師に提案するなど積極的にCOPDの患者さんのサポートすることで、患者さんの呼吸機能低下のリスクを下げられます。
吸入薬の種類やデバイスの種類も年々増加する中、2020年度の診療報酬改定では4 月から「薬剤服用歴管理指導料 吸入薬指導加算30点( 3 月に1 回)」が新たに設けられました。これにより、医師からの依頼があった場合だけでなく、患者さんや家族からの求めがあれば、医師の了解を得た上で吸入指導を実施できるようになりました。
薬剤師の業務も対物から対人へと変化していく中、患者さんに合った吸入薬やデバイスの選択、吸入指導における薬剤師の活躍が期待されます。
新型コロナウイルスの流行下、吸入指導のスキル向上や病院との連携体制の構築など、これから解決していく課題が多い状況ですが、薬剤師には、COPDに対する理解や吸入薬の指導に精通していただき、医療機関や医師との連携を図りながら、患者さんのQOLの改善や増悪の予防に貢献していただければと思います。
続きは、是非下記の記事よりご確認ください。
COPDの増悪予防には吸入薬の適正な使用と疾患の啓発が欠かせない
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