関節リウマチの治療における費用対効果
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関節リウマチは、全身の関節に慢性的な炎症が生じる、進行性の自己免疫疾患です。主に手足の関節で起こりますが、内臓が侵され生命に関わることもあります。日本人の有病率は人口の0. 5~1. 0%で、患者数は60万~70万人と推定され、男女比は1:4となっています。診断時の年齢は40歳代が最も多く、以下50歳代、30歳代、20歳代と続きます。働き盛りの年
代で発症し、さまざまな症状によって日常生活が制限されるため、社会的な負担の大きい疾患として注目されています。
高額な関節リウマチの治療
人口の高齢化に伴い、わが国の医療費は右肩上が りで増加しています( 2017年度の国民医療費は42. 2 兆円)。この背景には、さまざまな疾患領域で新規薬剤が次々に開発され、高価な薬剤が医療費を押し上 げていることがあります。関節リウマチに関しては、 特に生物学的製剤が高価で、体重50kgの患者さんの 自己負担額(3割負担)は1カ月あたり30,000~40,000円 (高額療養費制度などを考慮しない薬剤費のみの負担額)かかっています。
我々は、「関節リウマチの活動性が高い」、「日常生活が不自由」、「生活の質( QOL)が悪化する」といった指標が高いほど、直接医療費が高くなることが示されたデータを2013 年に発表しました。これは、逆にいえば、関節リウマチの活動性を抑え関節の変形が進行しないようにして、QOLを維持していくことができれば、生涯にわたる医療費を抑えることができる可能性を示すデータともいえます。 本調査では、生物学的製剤を使用しない場合の直接医療費は年間25 万円程度であるのに対し、使用する場合は年間約70万円と、約3倍に膨れ上がるという結果でした。
生物学的製剤はそれ自体が高額である一方、治療効果の面では優れており、疾患を制御することで他の薬剤処方料や手術費を減少させ、生命予後の改善も期待できます。毎月約6万円を患者 さんに負担させる生物学的製剤。果たして積極的な使用は妥当なのでしょうか。
続きは、是非下記の記事よりご確認ください。
関節リウマチの治療を費用対効果から考える
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