新型コロナウイルス、ワクチンの開発状況は?
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新型コロナウイルスのワクチンの提供について、WHOと薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)が共同ステートメントを公表しました。「リアルタイムでデータを共有すること」、「承認後の使用状況を監視して安全性と有効性の問題を特定し軽減できるような協働を実施する」などの内容が盛り込まれました。厚労省は、「マイナス70℃程度の超低温のまま届ける際には、ドライアイスを入れた保冷ボックスを用いる」として保管可能な冷蔵庫を3,000台確保する方針のようです。
ワクチンの開発状況や特徴は?
米ファイザー
有効性の最終解析を行った結果、95%の予防効果が示されたと発表。安全性についても重大な懸念は認められず、11/20にFDAに緊急使用許可を申請。
保管温度はマイナス75℃±15℃と超低温管理のため、診療所での接種は難しい。2020年に最大5000万回分、2021年末までに最大13億回分を製造可能との予測。開発が成功した場合、日本政府は2021年6月末までに1億2000万回分の供給を受けることで合意しています。
米モデルナ
94%超の有効性がみられると発表。開発が成功した場合、日本政府はモデルナから、2021年に計5000万回分(2500万人分)の供給を受ける契約を締結。2~8℃の標準的な医療用冷蔵庫で1カ月間、マイナス20℃であれば6カ月間保管可能です。
英アストラゼネカ
治験の中間結果では有効性は平均で70%。90%の有効性を示したものもあったが、サブグループ解析だった点についての指摘を踏まえ、有効性や投与方法の再確認のため、追加で治験実施を行う意向です。
国内
大阪大学とアンジェスの共同開発で第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始予定。そのほか、塩野義製薬、第一三共、ヤンセンファーマ、田辺三菱製薬などが開発に着手。
続きは、是非下記の記事よりご確認ください。
新型コロナウイルス一問一答
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