【Case Study】睡眠薬を増やしてもらえませんか?
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向精神薬の用量調整のCase Study【睡眠薬編】
今回はうつ病で入院歴があり、外来通院をしている50歳代、Bさんのケースです。精神科の主治医より「薬剤について相談がある」と連絡を受け、院内薬剤師が外来診察室に同席することになりました。以下は介入前の処方内容です。
【介入前の処方内容】
[常用睡眠薬]
・フルニトラゼパム 6mg/日(眠前)
・ニトラゼパム 20mg/日(眠前)
・スボレキサント 15mg/日(眠前)
[頓用睡眠薬]
・ブロチゾラム 0.5mg/日(不眠時)
[抗うつ薬]
・ミルタザピン 30mg/日(眠前)
・クロルプロマジン 50mg/日(眠前)
[抗不安薬]
・ブロマゼパム 15mg/日(分3、朝昼食後・眠前)
精神科の外来診察室では医師から、これ以上睡眠薬を増やせないため、どうすれば良いかという相談がありました。そこで薬剤師がBさんに日中の様子を聞いたところ、一日中体がだるく、昼間に何時間も眠ってしまうことや、以前に自分で睡眠薬を減らしてみたところ、手の震えや発汗があり全く眠れなかったので、「薬をもっと増やしてほしい」と思っていることを聴取しました。その後、主治医とBさん、薬剤師との三者面談による診察が始まり、1年以上の治療で徐々に中途覚醒は改善しました。
「Bさんへの睡眠衛生指導」「睡眠薬の減量プロトコル」「介入による処方内容の変化」は、本記事よりご確認ください。
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