スマートピックアップロッカー導入の決め手とは
処方薬の受け渡しは対面が基本など、調剤薬局にとっての当たり前が、コロナ禍や患者さまのライフスタイルの多様化により、大きく変わろうとしています。そうしたなか、調剤薬局にはどのような対応や変化が求められるのでしょうか。ここでは、24時間処方薬の受け渡しが可能な宅配ロッカー「スマートピックアップロッカー」を導入した、日本調剤株式会社の薬剤本部薬剤管理部の良玄一郎さんにお話を伺いました。
「グレーゾーン解消制度」により対面以外の薬剤受け渡しが可能に
全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社(東京都千代田区)は、宅配ロッカーの「スマートピックアップロッカー」を開発・展開する株式会社フルタイムシステム(東京都千代田区)との合同プロジェクトとして、日本調剤 根津薬局(東京都文京区)で処方薬受け渡しの実証実験を2020年12月10日から始めています。
「これは、冷蔵機能付きの『スマートピックアップロッカー』を使い、24時間いつでも処方薬を受け取り可能な体制を整え、非接触による処方薬受け渡しのニーズや作業の効率化などを検証するというプロジェクトです」(良玄さん、以下同)
プロジェクトのきっかけは、いまから遡ること2018年6月1日のこと。「グレーゾーン解消制度」(事業に対する規制適用の有無を事業者が照会できる制度)で、ピックアップターミナルを介した薬剤の受け渡しは薬剤師による患者さまへの直接の受け渡しと同程度に、薬剤の品質の保持、確実な授与を確保していると厚生労働省が回答したことにより、導入が可能になったのです。
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