COX-2選択性のNSAIDsは胃にやさしいのは本当?服薬指導や処方提案の際の注意点
- COX-2選択性のNSAIDsは、通常のNSAIDsに比べて“胃にやさしい”というのは本当か
- COX-2選択性のNSAIDsが処方されている患者さんには、どんな注意が必要か
解熱鎮痛薬として広く用いられているNSAIDsが「胃」を荒らしやすい、というのは広く知られている特徴ですが、そんなNSAIDsの中でも「COX-2選択性の高いNSAIDs(COX-2阻害薬)」であれば、こうしたリスクを比較的低く抑えることができる、とされています。
今回は、この「COX-2阻害薬」が実際、どのくらい「胃」にやさしいのか、NSAIDsによる胃粘膜傷害のメカニズムとCOX-2阻害薬の特性を踏まえて、薬剤師として押さえておきたい基本と注意したいポイントを解説します。
「NSAIDsが胃を荒らすメカニズム」をおさらいしよう
そもそも「NSAIDs」は、発熱や痛み・炎症に関わる「プロスタグランジン」の合成に関わるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することによって、解熱・鎮痛・抗炎症の効果を発揮します。
しかし、この「プロスタグランジン」は胃粘膜の血流維持にも深く関わっているため、これを阻害することによって胃粘膜の血流が阻害され、結果として胃が荒れやすくなる、胃粘膜傷害を起こしやすくなることになります。
そのため、実際にNSAIDsを使っている人は通常よりも1.5~2.0倍ほど上部消化管出血を起こしやすく1)、そのリスクは薬を使う量が多ければ多いほど2)、あるいは薬を使う期間が長くなるほど3)高くなることが知られています。
「COX-2阻害薬」のコンセプトと実際の安全性を知ろう
NSAIDsが阻害するCOXには、主に胃粘膜などにも普段から発現している「COX-1」と、炎症部位などで発現している「COX-2」があります。
本来、解熱・鎮痛・抗炎症の効果を期待するのであれば「COX-2」だけを阻害すれば良いのですが、「COX-1」にも作用してしまうために、胃粘膜傷害を起こすことになります。
NSAIDsの作用とCOXのサブタイプ
| COX-1 | 胃粘膜などで発現。これを阻害することで、胃粘膜傷害が起こる。 |
| COX-2 | 炎症部位などで発現。これを阻害することで、解熱・鎮痛・抗炎症の効果が得られる。 |
こうしたメカニズムを踏まえて開発されたのが、「セレコックス(セレコキシブ)」や「モービック(メロキシカム)」といったCOX-2選択性の高いNSAIDsです。
これらの薬は、炎症部位などで発現する「COX-2」を選択的に阻害することで、胃粘膜への悪影響を最小限に抑えつつ、解熱・鎮痛・抗炎症の効果を発揮できることを期待して開発された薬です。