薬剤師が円満退社するコツ・揉めない退職理由や手続きの注意点を解説
薬剤師は転職しやすい職業と言われていますが、やはり実際に転職するとなると大変なことが多いものです。
転職先を探して、求人に応募、面接をして内定までが転職活動と思われがちですが、転職活動は内定を得て終わりではありません。
そこからの「現職の退職」も転職活動のなかで大切なステップとなります。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、これまでお世話になった職場を円満に退職することは、次のステップへ気持ちよく進むためにも非常に大切です。
ここでは、前職を円満退社するために大切なポイントについて解説します。
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円満退社のスケジュール
円満退社を実現するためには、退職に必要なことを事前にきちんと把握して、準備しておくことが不可欠です。
ここでは、退職の一般的なスケジュールと各段階での注意点を説明します。
ステップごとに必要なことをしっかり確認してください。
退職の意思を伝える
転職先が決まったら、まず、直属の上司に退職の意思を伝えることが最初のステップです。
一般的には、退職希望日の1カ月半〜2カ月前を目安に伝えるのがよいとされています。
これは、人員の補充や業務の引き継ぎに必要な期間を考慮してのことです。
薬局や病院によっては就業規則で時期が設定されていることもあるので、事前にきちんと確認して、それに従いましょう。
民法では2週間前に退職の意向を伝えればよいとされていますが、後任への引き継ぎなどを考えるとあまり現実的ではありません。
円満に退職をするならば、少なくとも1カ月前には伝えることをおすすめします。
また、可能であれば退職時期が繁忙期と重ならないように配慮しましょう。
自分もまわりも余裕のあるときに行うことで、円満退社しやすくなります。
伝える際は、個人的な都合で申し訳ないという気持ちと、これまでお世話になった感謝の気持ちを伝えるように心がけましょう。
退職理由については、後述するように、角が立たない理由を選択することが重要です。
退職届を出す
退職の意思が上司に受理されたら、正式な手続きとして退職届を提出します。
提出の時期や書式については、職場の規定に従ってください。不明な点があれば、人事担当部署に確認しましょう。
なお、退職時に有給休暇が残っている場合は、消化するタイミングについても考えておきましょう。
退職前は引き継ぎで忙しくなるため、有給休暇の消化が難しくなることがあります。
退職を申し出るときに、あわせて有給の消化についても決めておくようにしましょう。
引き継ぎをする
退職日が決まったら、業務の引き継ぎに入ります。
後任者がスムーズに仕事をできるよう、担当業務の内容、手順、注意点などを整理して伝えていきましょう。
あわただしい時期ですが、必要に応じて、業務の内容についてわかりやすくまとめたマニュアルを作成することをおすすめします。
口頭での説明だけでなく、文書として残すことで、後々のトラブルを防ぐことができます。転職先で働き始めてから問い合わせを受けることも避けられます。
引き継ぎの際には、質問には丁寧に答え、必要に応じてフォローアップの時間を設けるなど、誠意ある対応を心がけましょう。
退職日を迎える
引き継ぎや社内の手続きを終え、いよいよ最終出勤日となりました。
最終出勤日は、有休消化のあとに1日だけ出勤するケースと、最終出勤日のあとに有給消化するケースがあります。
自分のスケジュールと職場の状況に応じて決めるようにしましょう。
最終出勤日は、職場の方々への挨拶をしっかりと行うことが大切です。
お世話になった方々へ個別に挨拶をするのが理想的ですが、状況によっては朝礼や終礼などの機会を利用して、感謝の気持ちを伝えることになるかもしれません。
最後に職場の人への感謝の気持ちとして、お礼の品を渡したいと考える人もいるでしょう。
その場合は、個別包装のお菓子などを選び、スタッフに手間をかけないように配慮しましょう。
私物の整理や返却物の確認も忘れずに行ってください。社員証などの会社から貸与されているものは必ず返却します。
円満退社するには退職理由が大切
退職理由の伝え方は、円満退社を実現するための重要なポイントです。
正直に話すことが必ずしも最善とは限りません。
相手に不快感を与えたり、引き止めの口実を与えたりする可能性のある理由は避けるように気をつけましょう。
転職理由が大切な理由
転職理由は、現在の職場の人に退職について理解して受け入れてもらうために重要です。
薬剤師は転職が多いといっても、多かれ少なかれ退職するということは摩擦を伴うものです。
ただ、本当の理由はどうであれ、相手にとって受け入れやすい理由を準備しておくことは、相手にとってもストレスを減らすことになります。
筋の通った理由であれば、上司も引き止めにくく、円満な退職につながりやすくなります。
転居や介護などはそのまま伝えてOK
家族の転勤に伴って転居しなければならなくなった場合や親族の介護など、個人的な事情で職場を離れざるを得ない場合は、そのまま正直に伝えて問題ありません。
このような理由の場合は、上司も理解を示しやすく、引き止めの可能性も低くなります。
もし、給与や人間関係など、ほかの理由がメインで転職する場合も、介護などに関連づけられるようであれば、職場に対してはそちらを理由にするほうがよいかもしれません。
嘘をつく必要はありませんが、円満退社という目的をよりスムーズに達成できる手段を選んでください。
上司が納得できる理由にする
スムーズな退職は、上司に納得してもらえればほぼ実現できます。
そのためには、上司に受け入れてもらいやすい理由にすることが大切です。
上司が納得しやすい理由としては、キャリアアップのための転職や、より専門性を高められる環境への異動などがあげられます。
「いまの仕事のおかげで、〇〇という職にチャレンジしたいと考えるようになりました」
「これまで培ってきた経験を活かし、〇〇の分野でさらに専門性を深めたいと考えています」
「親の介護を通して、在宅医療に貢献したいという気持ちが大きくなりました」
といった伝え方をすることで、前向きな印象を与えることができます。
また、前述したように、個人的な事情を理由にすることも、場合によっては有効です。
前向きな理由であることを示す
退職理由は、ネガティブな内容ではなく、ポジティブで前向きなものであることが重要です。
前述したように、「新しい環境で自分の力を試したい」「これまで学んだことを活かして、さらに貢献したい」といった意欲を示すほうが、反対される可能性は少なくなるでしょう。
現職への不満は言わない
実際の転職の理由は、給与面への不満だったり、人間関係だったりすることが多いでしょう。
このままここにいては、昇進するポストもなく、給与も頭打ちということもあります。
しかし、たとえ現職に不満があったとしても、退職理由としてそれをストレートに伝えるのは避けるべきです。
「給与が低い」「人間関係が悪い」「業務内容に不満がある」といったネガティブな発言は、これからもそこで働く人たちのことも否定していると受け取られかねません。
現在の職場からは離れることは決まったのですから、現職への不満は抑えて、気持ちよく退職することを心がけましょう。
業務の引き継ぎをするときの注意点
業務の引き継ぎは、後任者がスムーズに業務を行えるように、丁寧かつわかりやすく行うことが重要です。
期日を守り、退職日までに余裕をもって引き継ぎを完了できるよう、計画的に進めます。
改めて自分が担当していた業務をリストアップし、抜け漏れがないように引き継いでいきましょう。
特に、「自分だけしかできないこと」「自分だけしか知らないこと」があると、転職後も「あれはどうしたらいいですか」と問い合わせがくることになります。
そのような状況にならないように、今後の自分のためにも、必要な情報はすべて伝えておくことが大切です。
引き継ぎの際には、口頭で説明するだけでなく、手順書やマニュアルなどを作成して、誰が見ても理解できるように工夫しましょう。
マニュアルだけでなく、実際に操作を見せながら説明することでも、理解度が深まります。
後任者が遠慮なく質問できるような、オープンな態度で接することも重要です。
また、個人的なメモや必要のないものは退職日までにきちんと破棄しておきましょう。
退職時に必要な手続き
退職時には、年金や健康保険をはじめとして、さまざまな手続きが必要になります。
人事担当部署の指示に従い、以下の手続きを確実に行いましょう。
- 健康保険・厚生年金の手続き: 資格喪失の手続きや、年金手帳の受領などを行います。
- 雇用保険の手続き: 次の職場に提出する雇用保険被保険者証を受領します。もし転職先が決まっていない場合は、離職票を受け取り、失業給付の手続きを行うことになります。
- 所得税・住民税の手続き: 源泉徴収票を受け取り、年末調整や住民税の納付方法について確認します。
- 退職金の手続き: 退職金の支給がある場合は、手続き方法や支給時期を確認します。
- その他: 社宅の明け渡し、制服や社員証の返却など、会社からの指示に従います。
【Q&A】円満退社するためのポイント
ここまで一般的な退職のステップについて解説してきました。
ここからは、退職の際によくある質問について解説します。
退職の話を上司に言い出しにくい
退職の意思を伝えるのは、誰にとっても気が重いものです。
しかし、先延ばしにすればするほど、周囲に迷惑がかかる可能性もあります。
まずは、伝える内容を整理し、話すタイミングを見計らいましょう。
実際に話をする際には、まず「相談」というかたちで時間をとってもらいましょう。
上司に負担にならず、個室で落ち着いて話せる時間帯を選ぶのがおすすめです。
そして、「ちょっと相談したい事がありまして」とワンクッションを置いて切り出しましょう。
上司に対して退職を一方的に「通告」すると角が立つ可能性がありますが、上司にこれからのキャリアについて転職も含めて「相談」するというかたちにしたほうが、スムーズに話が進みます。
引き止めにあったらどうする?
引き止められた場合は、まず相手の言葉に耳を傾け、感謝の気持ちを伝えましょう。
そのうえで、自分の決意が変わらないことを柔らかく丁寧に伝えることが重要です。
あいまいな態度を取ると、引き止めが長引いてしまう可能性があります。
引き止めの言葉にひとつひとつ対応することも大切ですが、あまり相手に合わせていくと、いたずらに自分も相手もエネルギーを使うことになってしまいます。
「いろいろなことを考えた結果、今回の決断に至りました」と、強い意志を示すことが大切です。
もし、給与などで改善すると条件提示があった場合は、時間をとってその内容をしっかりと確認し、自分の希望と照らし合わせて慎重に判断しましょう。
転職先に内定受諾の返事をしていないのであれば、転職を取り消して現在の職場で働き続けることもできます。
ただし、一度退職の意思を持ったという事実と、それをまわりの人も知っているということは消すことはできません。
そのような状態であっても本当に現在の職場で働き続けるほうがいいかは慎重に判断しましょう。
退職が決まったあとは職場でどうふるまったらいい?
退職が決まったあとに働き続けることに気まずさを感じることもあるかもしれません。
ただ、それは薬局や病院、ドラッグストアを利用する患者さんには関係のないことです。
退職が決まった後も、これまでと変わらず誠実に日常の業務に取り組みましょう。
周囲への感謝の気持ちを忘れず、最後までプロフェッショナルとして淡々と働くことが大切です。
一方で、同僚には感謝をもって引き継ぎを行い、後任者が安心して業務できるようサポートしましょう。
また、送別会などを開いてもらった際には、感謝の気持ちをしっかりと伝えましょう。
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まとめ
円満退社をすることは、転職活動の締めくくりとして非常に重要です。
退職の意思を伝えるタイミングや理由の伝え方を配慮し、丁寧な引き継ぎ、そして退職時の手続きをしっかりと行うことで、これまでお世話になった職場との良好な関係を維持し、新たなスタートを気持ちよく切ることができます。
転職は、新たなキャリアを築くための大切な一歩です。円満に前職を退職して、自信を持って次のステージへと進んでください。
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