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薬剤師のための転職・求人コラム

更新日: 2026年6月1日 薬剤師コラム編集部

薬剤師と医師のダブルライセンス取得は可能?めざす前に知っておきたい課題

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薬剤師として働く中で、医師のように「もっと治療に踏み込みたい」「治療方針を主体的に決めていきたい」と感じたことはありませんか?

薬剤師と医師の、療法の資格を持つ「ダブルライセンス」は、患者の治療をより包括的に支えられるうえで大きな強みになります。一方で、取得には長い道のりと明確な目的意識も必要です。

本記事では、薬剤師が医師免許をめざす際のメリットや課題、活かせる分野、取得までのステップをわかりやすく解説します。
「薬剤師だが医師免許にも興味がある」という方は、ぜひ参考にしてください。

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薬剤師が医師とのダブルライセンスをめざす理由

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薬剤師として臨床現場で働くなかで、「もっと患者さんの治療に踏み込みたい」「薬の専門性をより広くいかしたい」と感じる瞬間は少なくありません。
チーム医療の推進により薬剤師の役割は拡大していますが、診断や治療方針の決定といった”医師の領域”にはどうしても限界があります。

そのため、医師免許を取得し、より深く医療に関わりたいと考えたことがある人もいるかもしれません。

ここでは、薬剤師が医師とのダブルライセンスをめざす主な目的を整理してみましょう。

より主体的に治療に関わりたい

薬剤師としての主な役割は、医師の処方箋に基づいて適切に調剤・服薬指導をおこなうことです。
しかし、日々の業務のなかで、「もっと治療方針の決定に関わりたい」「自分の判断で患者の治療に貢献したい」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。

薬剤師が医師からは独立した立場で調剤や監査をおこなうことは、医療の安全性を高めるためには欠かせません。

一方で、より主体的に治療に関わりたいというのは、薬剤師が医師とのダブルライセンスをめざす主な理由のひとつでもあります。

キャリアの差別化や専門性を高めたい

薬剤師の人数は年々増加しており、いまや「薬剤師免許を持っている」だけでは、市場での差別化が難しくなりつつあります。
そうした中で、”薬剤師×医師”というダブルライセンスは、とても希少であるといえるでしょう。

実際に、次のような目的でダブルライセンスを検討する薬剤師が増えています。

  • 他の薬剤師にはない強みを持ち、求人・転職市場でアドバンテージを得たい
  • 薬物療法・臨床診療・医薬産業など活躍の場を広げたい
  • 年収やキャリアアップ、働き方の自由度を高めたい

薬剤師としての視点に加えて医師としての診療スキルを持つことで、キャリアの選択肢は大きく広がっていくでしょう。

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薬剤師と医師のダブルライセンスがもたらすメリット

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薬剤師が医師免許の取得を考える背景には、「その先にどんな可能性が広がるのか」という期待があります。

現在、薬剤師と医師の両方の資格を持つ人は決して多くありません。その希少さゆえに、臨床現場から産業・研究領域まで活躍のフィールドを広げていける点が大きな魅力といえます。
ここでは、薬剤師×医師のダブルライセンスがもたらす主なメリットを整理します。

専門性と希少性が高まり、キャリアの幅が広がる

薬剤師と医師の両方の資格を持つ人材は非常に稀で、市場全体でも“希少価値の高い専門職”として評価されるでしょう。
診療、薬物療法、新薬開発、チーム医療など、活動の場は大きく拡大し、単一資格では得られない立場を築ける点が魅力です。

また、薬剤師と医師どちらの視点も持つことで、薬と診療の両面から医療を支える存在として、新たな価値を発揮できます。
ダブルライセンスとなることは、専門性を高めたい人や独自のキャリアパスを描きたい人にとって、大きなメリットといえるかもしれません。

年収アップや市場価値の向上につながる可能性

「二つの国家資格を持つ」という付加価値は、条件面での優遇につながるケースがあります。
実際、薬剤師と医師の平均年収を比較すると、薬剤師の平均年収は599万円に対し、医師は1338万円です。

参照:賃金構造基本統計調査 令和6年賃金構造基本統計調査 /厚生労働省

※「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

単純な比較だけでも大きな差がありますが、薬剤師としての専門知識を併せもつ医師は、さらに活躍の幅が広がる可能性があります。
働き方の選択肢が増えることで、市場価値の向上や収入源の多様化にもつながる点が大きな魅力です。

薬剤師の給料事情についてくわしく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

薬剤師視点を持つ医師としての強みを得られる

薬剤師として培った薬に関する知識は、医師になった後も大いに役立ちます。
とくに作用機序・薬物動態・製剤特性といった専門性が高い領域は、以下のような場面で活かすことができます。

  • 処方設計や併用禁忌の判断
  • 腎機能や肝機能に応じた投与量の調整
  • 抗菌薬治療やTDM(治療薬物モニタリング)の最適化
  • 治療効果や副作用のモニタリング

薬に関する深い理解を持つ医師は、患者にとっても安心感を与える存在です。
医師としての診療・治療決定をするうえで、薬剤師の経験からくる薬についての深い知見は大きな強みになります。

チーム医療や医療安全により深く貢献できる

多職種連携が重視される近年は、薬剤師×医師というダブルライセンスを持つ人材の活躍にも期待が高まるでしょう。
特に、医療過誤の防止や抗菌薬の適正使用、併用禁忌の管理といった、医療安全の分野では大きな力を発揮できます。

また、在宅医療や地域包括ケアにおいても薬物療法に精通した医師として、広い視点から患者支援に取り組むことが可能です。

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薬剤師が医師免許取得をめざす前に知っておきたい課題

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薬剤師が医師とのダブルライセンスを目指す場合、大きなメリットがある一方で、現実的なハードルや見落とされがちなリスクも存在します。
「本当に自分にとって必要な選択か」を判断するためにも、事前に課題を理解しておくことが重要です。

膨大な時間・費用・労力がかかる

医師免許を取得するまでの道のりは長く、薬剤師として働きながら挑戦するには、大きな負担が伴います。

  • 医学部は6年制で、卒業後も数年間の臨床研修あり
  • 受験準備や入学後の高額な授業料がかかる
  • 10年近い長期計画になることも珍しくない

仕事と勉強を両立するための時間確保や健康管理、モチベーション維持は大きな壁となります。また、家族の理解や職場の協力など、周囲のサポート環境も欠かせません。

薬剤師免許をいかしづらい働き方になる場合もある

医師の仕事において、薬剤師としての経験を存分にいかせる場面は思っているよりも少ないと感じるかもしれません。
そもそも医師と薬剤師では仕事内容や役割自体が異なります

薬剤師としての知識や経験はもちろん強みになりますが、そういったものをいかせるのは一部の業務にとどまることもあります。
両方の資格を有効に使うためには、働き方やキャリア設計を慎重に考え、薬剤師としての専門性をどう維持するかを事前に考えておくことが大切です。

転職市場で必ずしも高評価とは限らない

ダブルライセンスは希少性の高い人材ですが、市場価値が自然と高まるわけではありません。
医師採用では、なによりも医師としての経験・診療科での実績・臨床能力が重視されます。

厳しい言い方にはなりますが、薬の知識があっても医師としての経験が少ない人よりも、医師の仕事一本でも専門性が高く経験豊富な人材の方が需要が高いのです。
そのため、薬剤師としての経験はプラスαとして評価される可能性はありますが、それだけで優遇される要素とはならないでしょう。

また、医療機関や企業側が「薬剤師+医師」という役割を明確に設定しているケースはまだ少ないのが現状です。
資格があるだけで自動的に高い評価を受けられるわけではない点を、理解しておく必要があります。

薬剤師として知識・スキルを維持しにくい

医師としての研修や診療業務を優先する期間が長くなると、薬剤師業務を担うことはなくなっていくでしょう。
薬剤師が中心となっておこなっている以下のような知識やスキルは低下してしまうかもしれません。

  • 調剤・投薬・服薬指導
  • 注射剤の調製、麻薬管理
  • 最新の薬物療法知識
  • TDM・抗菌薬管理

薬剤師としての専門性を維持したい場合は、自主的に勉強会や学会に参加するなどの努力が必要です。
ダブルライセンスは魅力的なキャリアですが、両方の資格を活かすには計画的なキャリア設計が欠かせません。

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薬剤師と医師のダブルライセンスをいかせる仕事

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薬剤師と医師のダブルライセンスがある人は、それぞれのスキルを掛け合わさることで、幅広いフィールドでの活躍が期待されます。
免許取得後は医師として働き始める人が多いと予想されますが、ここではさまざまな選択肢を紹介していきます。

病院・診療所などの臨床現場

まずは、病院やクリニックといった臨床の現場です。
さまざまな診療科がありますが、どの専門であっても薬物療法は深く関わります。薬剤師として培った薬物動態や併用禁忌、TDMといった知識は、診療の質を高めるのに役立てられます。

また、チーム医療のなかでも“薬剤師×医師”という立場は、幅広い視点を持つことができ、他の医療職ともうまく連携が取れるでしょう。
在宅医療や地域医療、肝・腎機能をふまえた薬剤調整、術前・術後の薬物療法など、薬剤師が得意とする領域で医師として活躍することもできます。

大学・研究機関などの教育・研究分野

薬学と医学の双方に精通する人材は、教育・研究の場でも強いニーズがあります。
薬学部や医学部、看護学部などで、実臨床をふまえた講義や実習指導、カリキュラム設計に携わる道もあります。

また、医薬品開発や治験といった研究分野においても薬剤師や医師としての知見をいかすことができるでしょう。
教育・研究分野では、薬学と医学の境界が明確でない領域も多く、両者をつなぐ存在としての価値が期待されます。

製薬企業や産業医などの非臨床領域

製薬企業でも、薬剤師と医師のダブルライセンスは大きなアドバンテージになります。
医薬品開発や安全性評価、メディカルアフェアーズなど幅広い部門で活躍できるでしょう。

また、産業医として働く場合には、薬のリスク管理や副作用の知識をもとに、社員の健康管理や服薬指導を含めたサポートをおこなうことができます。

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薬剤師が医師免許を取得するためのロードマップ

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ダブルライセンスの取得は、時間も費用もかかる大きな挑戦ですが、正しい情報と計画があれば実現は不可能ではありません。
成功している人の多くは、早い段階で目標と計画を明確にし、実行できる環境を整えています。

ここでは、挑戦を現実的に進めるために知っておきたい4つのステップを確認していきます。

STEP1:ダブルライセンスをめざす目的を明確にする

まず「なぜ医師をめざすのか」を言語化しましょう。目的があいまいだと、学業や受験の負担に挫折しやすくなります。
薬剤師としての経験を振り返り、どんな医療を実現したいか、医師免許がその目標にどうつながるかを考えます。

求人動向や給与相場も具体的に調べてみることもおすすめです。医師として働くことが現実的に想像できるようになると、学習へのモチベーションも高まります。

STEP2:入試制度と費用について把握する

医学部の受験には一般入試や社会人入試、学士編入といったいくつかの方法があります。自分に合う受験方法を確認しましょう。

学費や生活費、予備校費など経済面の計画がまず第一です。
医学部は全日制しかありません。生活費と学費両方を用意する必要があります。

特に医学部は他の学部に比べて学費が高いことが特徴です。
国公立大学では6年間で約350万円ですが、私立の医学部では一般的に数千万円にものぼります。費用面もふまえた大学選びと受験の準備が必須です。

STEP3:働きながら学ぶための計画を立てる

仕事を続けながら学ぶには、限られた時間をどう使うかが鍵です。
受験日から逆算し、必要な学習量とスケジュールを明確にしましょう。
前述のとおり、医学部は全日制しかありません。日中は大学で学び、夜や休日に働くといった生活そのものの見直しが必要です。

STEP4:メリットとデメリットを整理して行動にうつす

学習時間や費用面などのリスクを整理し、現実的な計画を立てたうえで、覚悟が決まったら行動に移しましょう。
ただし、決して簡単ではない挑戦です。家族ともよく話し合い、周囲の理解と協力を得ながら、一歩ずつ進んでいくことが大切です。

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薬剤師が医師とのダブルライセンスをめざすか迷ったら

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薬剤師としてすでにキャリアを積んでいる方にとって、医師免許の取得を目指すのは大きな決断です。「本当に必要か」「ほかの選択肢でも専門性を高められないか」と迷うこともあるでしょう。
ここでは、検討するべきキャリアパスやダブルライセンス以外の選択肢をご紹介します。

認定薬剤師・専門薬剤師などで専門性を高める

医師免許がなくても、薬剤師として専門性を極めることでキャリアアップは可能です。
がん薬物療法、感染制御、在宅医療など、さまざまな分野の認定/専門薬剤師制度があり、自身の関心や強みにあわせて選択できます。

資格を取得することで、給料がアップしたり、転職時に有利に働いたりします。薬剤師としての将来的な目標を見つけられていないという人は、目指してみてもよいかもしれません。

医師以外の資格とのダブルライセンスも検討する

薬剤師の知見を活かせる資格は医師だけではありません。
ケアマネージャーや管理栄養士、行政書士など、専門性や興味に応じてさまざまな選択肢があります。

それぞれの資格のメリット・難易度・キャリアパスを比較し、自分のライフプランや得意分野に合った「最適な組み合わせ」を考えてみましょう。

薬剤師と医師の役割を改めて整理する

薬剤師と医師、それぞれの役割や業務内容を改めて整理してみることをおすすめします。両者の仕事には異なる点もあれば、互いに補い合う部分もあります。
それぞれの違いと自分がめざす医療への貢献の形を照らし合わせてみましょう。

「本当に医師でなければ実現できないことなのか」「薬剤師としての働き方を見直すことで形にしていける願いなのか」という迷いの答えを見つけられるかもしれません。

転職エージェントに相談してキャリアの方向性を確認する

市場のニーズや将来性を把握するには、薬剤師や医師専門の転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。
ダブルライセンス保有者の募集状況や、どのような働き方があるのかといったことを聞いてみることで、現実的なキャリア像を描けます。

希望条件やライフプランを共有し、最新の市場情報をもとに自分にあった選択肢を整理しましょう。

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まとめ|薬剤師×医師のダブルライセンスで広がる可能性と現実

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薬剤師が医師免許取得をめざすのは大きな挑戦です。
特に費用面、そして時間・労力の負担は少なくありません。

まずは「なぜ医師になりたいのか」「薬剤師としてできることは何か」を整理し、現実的な計画や周囲のサポート体制を整えることが重要です。

また、認定・専門薬剤師などで専門性を高める選択肢や、ほかの資格との組み合わせも考えることで、無理なくキャリアを広げることができます。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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