妊娠中なのに「ドンペリドン」を服用してしまった女性への対応
患者さんの質問に対して、回答に困ったことはありませんか? このシリーズでは臨床論文から得た知識を活用し、より説得力のある服薬指導をめざします。実際の服薬指導のシーンを想定した会話形式で紹介します。第3回は妊婦のドンペリドン服用についてです。
今回の論文
Fetal and Neonatal Outcomes in Women Taking Domperidone During Pregnancy.
J Obstet Gynaecol. 2013 Feb;33(2):160-2. PMID:23445139
内容:妊娠第1期に「ドンペリドン」を服用した女性120人の奇形リスクを、薬剤暴露のない同年齢の妊婦212人を対照に評価した前向きコホート研究。妊娠期間や出生時の身長・体重・頭囲、奇形リスクに差はなかった(OR=0.6 [95%CI:0.1-2.8])とする報告。
「ドンペリドン」の添付文書には、妊娠中の使用は「禁忌」と記載されている
添付文書上は「禁忌」でも、論文やガイドラインでは「問題ない」とされている薬がある
薬剤師の「安全」「大丈夫」という言葉は「ゼロリスク」と受け取られる可能性がある