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臨床論文で服薬指導をアップデート!

更新日: 2024年3月29日 児島 悠史

処方される薬の「数」が多いことを気にしている高血圧患者さんに伝えたいこと

臨床論文で服薬指導をアップデート!のメイン画像

今回の論文

Am J Med . 2009 Mar;122(3):290-300. PMID: 19272490
内容:任意の2種類の降圧薬を併用した場合と、1種類の降圧薬を2倍に増量した場合の降圧効果を比較した、42件の研究のメタ解析。ACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などの異なる降圧薬を併用すると、同じ薬を2倍量に増量することに比べて、降圧効果はおよそ5倍大きくなる、という結果が示された。

ポイント

pointの画像1 「処方される薬の数」が増えれば副作用リスクも高くなるため、“不必要に薬の数が多い”のは問題
pointの画像2 高血圧治療では、「1つの薬を増量」より「2つの薬の組み合わせ」の方が効果的

服薬指導update!

テレビや新聞などでも、「薬が多い」ことを問題視する意見はよくとり挙げられる。確かに、薬の数が増えればそれだけ副作用リスクも高くなるのは事実だが、“不必要な薬まで処方されていること”と“必要な薬の数が多いこと”は区別して考える必要がある。たとえば降圧治療でも「薬の数」は増えがちだが、そこにはどんな背景があるのか、少し知っておくだけでも服薬指導はちょっと変わる。

臨床論文で服薬指導をアップデートの画像1
薬剤師

今日から、こちらの薬が1つ追加になっています

臨床論文で服薬指導をアップデートの画像2
患者

血圧があまり下がらなくてね…もうちょっと下げた方が良いと言われたよ

臨床論文で服薬指導をアップデートの画像3
薬剤師

そうだったんですね…確かに5mmHg下がるだけでも心筋梗塞などのリスクは確実に減らせる(※1)ので、今回の薬でしっかり下がると良いのですが

または

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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