キャリアビジョンの描き方大手を離れて初めて見えた「やりがいと将来像」

キャリアビジョンの描き方
大手を離れて初めて見えた「やりがいと将来像」

業界最大手のドラッグストア。安定した給与に、不満のない人間関係。一見、順風満帆に見えるキャリアの裏側で、Yさんは静かな焦燥感に苛まれていました。希望していた人事は実現せず、気づけば仕事へのモチベーションは枯渇寸前。「このままではいけない」という直感に従い、一歩外の世界へ踏み出しました。

そこで出会ったのは、一人の尊敬できる上長と、自分を「ひとりのプロ」として必要としてくれる環境。条件面だけでは測れない、Yさんの「心のスコア」が1から10へと跳ね上がった理由に迫ります。

このまま大手にいていいのか?
キャリアの停滞が転職のきっかけ

── 新卒で大手ドラッグストアに入社されて4年。転職を考えたのはなぜですか?

正直、会社そのものに大きな不満があったわけではありません。給与水準は高く、人間関係も良好。でも、僕が切望していた「管理薬剤師」や「本部職」への挑戦が、先延ばしになっていたことです。

管理薬剤師としてキャリアを進めたいという希望は、エリアマネージャーや人事部にも伝えましたが、社内の事情で異動は実現せず、『残念だけど、もう少し先で』という言葉を繰り返されるうちに、自分という人間が大きな組織の部品でしかないような、虚しさを感じるようになりました。

さらに、日々の接客の中で「自分はこの仕事に向いていないんじゃないか」という自己否定のループに陥ってしまって。気づけば、仕事に対する情熱が完全に冷え切っていました。このまま大手にしがみつくこともできた。でも、「このままの自分で終わりたくない」という想いが、転職エージェントへの登録のきっかけになりました。

迷える僕を救った、コンサルタントの言葉と「運命の出会い」

── 転職活動では、薬剤師以外の職種も検討されたそうですね。

はい。接客に自信を失っていたので、DI業務やライティング職など、薬の知識を活かしたデスクワークも提案してもらいました。初めて知る世界に視野が広がりましたね。

でも、エムスリーキャリアのコンサルタントさんが言ってくれたんです。「Yさんのキャリアを考えるなら、もう一度、管理薬剤師を目指せる環境で『薬剤師としての自信』を取り戻してからでも遅くないですよ」と。

これまでの4年間の経験を活かしながら、もう一度ゼロから薬剤師の業務をやり直してみようと思い、今の調剤薬局が第一志望になりました。

さらに、そこで出会った上長が、私の人生を変えました。薬剤師として、ひとりの人間としても非常に尊敬できる方で。この方の下でなら、自分ももう一段成長できるかもしれないと思えたことが、最終的な決め手になりました。

── 経験不足から転職への不安はありましたか。

4年弱勤務したひとつの会社での経験しかなく、また、いろいろな業務を担当してはいましたが、役職がついているわけではないので、それを職務経歴書にどのように落とし込むかが難しかったです。それはコンサルタントさんに添削してもらい、ポジティブにアピールできる形にまとめてもらいました。経歴の整理は一人ではできなかったと思います。

書類添削のイメージ

「やりがい」が1から10へ。
自分を見てくれる人がいるから、頑張る理由ができた

── 転職後、驚くほどモチベーションが上がったと伺いました。

一番変わったのは、「自分の頑張りを見てくれている人がいる」という実感です。今は調剤だけでなく、在宅業務も半分ほど任せてもらっています。責任は重いですが、頑張りを認めてもらえているということで、次に進める感覚があります。

前職では夜22時まで開局している店舗もありましたが、今は18時終業。残業も月6時間程度です。早く帰れることで、自己研鑽の時間も持てるようになりました。

何より、会社側から「次は管理薬剤師(店長)を任せたい」と、具体的なステップアップの話をいただいています。かつてあんなに遠かった目標が、今は目の前にある。真っ暗だったキャリアの視界が、一気に開けた感覚です。

アンケート:転職前後の変化

アンケート:転職前後の変化

「条件は大きく変わらない」
それでも満足度が上がった理由

── チャートを見ると、「心の余裕」や「将来のビジョン」の点数が劇的に上がっていますね

年収は一時的に少し下がりましたが、納得感は前職の何倍もあります。今は昇給も決まり、結果的に前職以上になる見込みです。でも、僕にとって重要だったのは数字ではありません。以前は感じていた「漠然とした不安」や「虚無感」が、今は一切ないんです。

評価してくれる上長がいて、次のキャリアにつながっていく期待があり、自分の成長を実感しています。その先については、店長として地域に貢献していくのか、本部職を目指すのかはまだ未知ではありますが、そうした将来像を現実的に描けるようになったことが、一番大きな変化ですね。

大手だから正解とは限らない。
自分らしく働ける場所はほかにもある

── 今、悩んでいる若手薬剤師へメッセージをお願いします。

「大手だから安心」「3年は続けなきゃ」という言葉に縛られないでほしいです。僕も以前は人に頼るのが苦手で、一人で抱え込んでいました。でも、一本の電話、一人のエージェントとの出会いで人生は変わります。

外の世界を見て、今の会社を客観的に評価するだけでも大きな一歩です。そうすることで、自分の悩み事や、逆に今の会社のいいところが見えてくることもあります。

僕の場合は、新卒で入った会社は大手ドラッグストアでした。大手ならではのメリットもデメリットもありますが、新卒で入った会社として間違っていたとは思っていません。その一方で、大きな組織の中で「自分は埋もれている」と感じているなら、一度誰かに頼ってみてください。大手じゃなくても、あなたを必要とし、あなたの努力を正当に評価してくれる場所は必ずあります。自分らしい働き方は、きっと見つかります。

ステップアップの話のイラスト

Yさん流「キャリアの描き方」3箇条

「違和感」を放置しない

キャリアの停滞を感じたら、まずは情報を集めて外の空気を感じること。

「人」で選ぶ

制度や名前だけでなく、この人の下で働きたいと思える「師」を見つける。

大手を「手段」にする

大手での経験を誇りにしつつも、それに固執せず、自分を一番活かせる舞台を探し続ける。

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