「新型コロナ慰労金」院外薬局の対象外は適切?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
2020年7月から「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」の申請受付が始まりました。新型コロナ慰労金事業とは、新型コロナウイルス感染症の流行によって、常に感染の危険と隣り合わせの中、強い使命感を持って業務に従事している医療従事者や職員のために慰労金を給付する事業です。
医療従事者や職員に対し、1人につき5万~20万円が支給されるというもの。しかし、院外薬局は慰労金交付事業の対象外となりました。m3.com薬剤師会員へアンケートを実施したところさまざまなご意見が寄せられました。
新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金が院外薬局対象外なことについて、適切だと思いますか?
病院勤務薬剤師の回答
ベン:
「適切だ」と「適切でない」がだいたい同じくらいの割合だね。
診療所勤務薬剤師の回答
ゼン:
「適切でない」が100%という結果に!
調剤薬局勤務薬剤師の回答
カン:
60%近くが「適切でない」と回答したわ。
ドラッグストア(OTCのみ)勤務薬剤師の回答
ベン:
「適切だ」という回答と「わからない」という回答がちょうど半々になったね。
製薬企業勤務薬剤師の回答
ゼン:
「適切だ」との回答は0%で「適切でない」が70%近くだったぜ。次は、先生たちの意見を紹介するぜ!
上記で回答した理由を教えてください
薬局にも感染リスクはある
- 病院スタッフほど濃厚接触はしないけれど、感染リスクが全くないわけではない。ましてや病院では通常の患者さんと発熱者の対応を別経路で行うことが多いが、院外薬局だとCOVID-19対応の患者かどうかもわからない。
- 外来しかないクリニックは対象なのに、院外薬局が対象外というのは不思議に思います。感染リスクは同じであり、対策も必要で、複数の病院からさまざまな患者さんに対応している薬局もあり、従業員の身体的負担は大きいと思う。
- コロナ疑いの患者さんも来局するため感染のリスクがある。感染対策に時間、労力、費用を費やしている。患者さんからの目も厳しく、感染対策へのクレーム対応に追われる。コロナ疑いの患者さんを対応した後は感染への恐怖、ストレスもある。
- 病院勤務だが、院外薬局は病院の受診者数に影響を大きく受けているし、規模は違っても感染対策を万全にしなくてはいけない所であるのにもかかわらず除外はおかしいと思う。
- コロナ感染の患者さんが何人か来局したから。在宅訪問している施設もコロナが発生したので。
- 新型コロナウイルスにかかっていても無症状の方がいる。そういう方が普通に薬局に立ち寄ることだって考えられる。普段より神経は使っているはずなので、対象外は適切ではないと思う。
- すべて院内で完結するなら院外薬局の出る幕はないが、風邪かコロナかわからない患者さんを相手にするのは、院内も院外も変わらず、むしろ検査手段のない院外薬局の方が、ストレスが高いと感じる。
- 発熱、咳のある患者、肺炎疑いの方も来局される。そのたびに感染対策をして服薬指導をしている。確定診断されていないので、逆に最もリスクが高い職業だと思う。
- 薬局ではクラスターが起きていないという理由では、水際対策をしている薬局はチーム医療の一員として切り捨てられている感じを受ける。
感染者に関わらなくても給付の対象?
- 病院の正職員ですが調剤薬局でアルバイトをしています。勤務先の病院では発熱患者の外来診療も新規入院も受け入れていませんが慰労金の対象です。
- 院内ならばCOVID-19に全く関わらない職員にも給付されます。しかも、直接医療にあたった病院内でもかなり温度差があり、ただ所属していたから20万円というのには納得がいきません。また、診療にあたらない病院でも対策や会議を重ねて、準備にあたっていたわけで金額に差をつけるのも納得がいきません。せめて直接患者と接する機会の多かった薬局にも慰労金を給付すべきだと思います。薬局も医療機関ですから。
感染リスクがあるのは院外薬局だけでない
- 感染が確定している、またはリスクが高い患者はすべて入院にて対応しており、院外薬局に行く患者は感染リスクが低い患者しかいないため。院外薬局にも給付するなら、コンビニや飲食業なども同程度のリスクとして給付すべき。
- 一般的な小売店も同じようにレジ等をこなしている所もあるので一概に院外薬局すべてが当てはまるかは微妙な感じになる。
ベン:
薬局にもコロナに感染している患者さんが来局する可能性はあるよね。
ゼン:
一方で、コロナの患者さんとの接触リスクは、医療に関わらず他の業種でも変わらないという意見もあったぜ。
カン:
以前のアンケート「職場での新型コロナウイルス感染症対策は?」でも、各薬局で感染対策をしているという声が聞こえていたし、薬局薬剤師の貢献がもう少し認められるといいわね。
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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