患者さんとのトラブル、身の危険を感じたことは?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
m3.com薬剤師会員の皆さんに、患者さんとのトラブルで身の危険を感じたことがあるかについてうかがったところ「トラブルはあっても身の危険を感じたことはない」51%と回答。
一方で「命にかかわる身の危険を感じた」2%という結果もあり患者さんとの関係性において、わずかながら深刻な事態を招きかねない恐れがあることが分かりました。
さらに自由回答では、身の危険を感じた体験談やクレームの対応策、医師が被害に遭った事件に関する率直な意見などが寄せられています。
Q1:患者さんとのトラブルで身の危険を感じたことはありますか?
Q2:身の危険を感じた体験談、医師が被害に遭った事件で感じたことがあれば、意見をお聞かせください。
身の危険を感じた体験談
- 患者さんの家族から脅迫のようなことを言われた
- ストーカー行為、傷害予告を受けた
- 家の住所を聞かれた
- 病院に勤めていたころ、患者さんが暴れだし警察を呼ぶ事態になったことがある
- 医師が診察中に肝炎患者さんと取っ組み合いになり噛まれた。医療側にも診察の拒否権は必要では?と思えた
- 病院玄関での検温の際に「マスクをつけないと院内には入れない」と伝えたら胸ぐらを掴まれ暴力行為を受けた
- 薬が不足したので郵送したが次の日に届かず、激昂した様子で患者さんから電話がきた。
患者さんが先に郵便局にも問い合わせたようで「本当に送ったのか?」と郵便局員が言ったため薬局が送ってないと思い込んでいた - 電話対応が気に入らず、ふざけるなと薬局に乗り込まれた
- 話が通じず怒ってクリニックのドアをずっと叩いていた。その際は誰にもドアを開けさせず、すぐに警察を呼んでもらったが、クリニックが開いている間に来ることを想像すると怖い
- 用もないのに毎日薬局に来て、夜間転送電話も出ないからとお経を流された。
さらに泥酔して「俺なんかもうどうなってもいい」と泣かれ、向かいの病院へ事務員と両脇を担いで連れて行った - 患者さん宅に夜中、12時まで約5時間軟禁された
- 入院患者さんが病室に放火した事件があった
- 女性の職員が特定の患者さんから気に入られ頻繁に話しかけられる様になった時は、不在を装うこともある
- 話が長いので言葉を発する前に問題ないかどうかを考える必要がある。「ありがとう」が禁句の患者さんに、一度不意に発してしまったときに殴られたことがある
これから対応策を考えていきたい
- 調剤室の構造上の問題点として出入口は1箇所しか認められない事。出入口を押さえられると避難路がない
- 密室の中ひとりは怖いので複数体制で行いたい
- 以前赴任していたメンタルクリニックの門前薬局では、患者さんが暴れて立て篭り警察を呼ぶことがあり、防犯カメラとセコム、緊急時の防衛対応は必須だった
- 対人関係がある以上、その人が何を考えているかなんて不明であり、最大限の心のケアをしながら医療を進めていく以外に防ぐ手立てはない。自分が現場にいた際に適切な行動をとることが出来るのか不安
- 医療のサービス業化が原因で起きている事だと思う。
患者さんを大事にする、親身になる…は当然だとは思うが、行き過ぎたサービス業化で勘違いする患者さんや患者さんの家族が発生するのを防ぐ方策が必要 - 患者さんだけでなく家族へのカウンセリングが必須
- 過誤の際の初動を間違えるとトラブルになる。過誤報告は包み隠さずありのままを報告するのが鉄則
医療者が被害に遭った事件について
- 患者さんを「様」と呼ぶことで自分が偉いと思っている患者さんは多い気がする。特に薬局だと「こんなに待たせやがって!」と威圧的な態度でくる男性は少なくない。
薬局が女性ばかりだと尚更、自分が強いという態度で脅してくる患者さんもいて、怖いと思ったことは何度かある。
今回の事件はもちろん許せず憤りを感じ本当に恐ろしいが、決して遠い他人事とは感じず身近で起こらないとも言い難い。
例えば近所でおかしな思考の他人がいれば避ければいいだろうが、患者さんやその家族だと逃げようがない - 真面目に診療をしている医師や医療関係者が殺害されるなど気の毒でならない
- 誠意を尽くして対応しても理解が得られないことを経験したことがある。残念と言う言葉では言い表せないくらい悲惨な事件
- 医師は患者さんのために頑張っていたのに、勝手な思いで主治医まで巻き込み自己中で赦しがたい
- 患者さんの思い込みが一連の事件を招いた結果。医師会との連携をより密にしたほうがいい
- いつ自分が誰から敵意を向けられるのかわからない怖い世の中になった。在宅医療の患者さん宅に行ったことはないが、患者さんの家族でどんな人がいるかわからないので行くのが怖い
ベン:
真摯に向き合っていても、理解を得るのが難しい場合もあるね
ゼン:
しっかり対応策を考えておきたいところだぜ
カン:
外部機関への協力要請など、いざというときの備えも必要ね
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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