骨髄炎・関節炎3
成人の外傷後骨髄炎
外傷後骨髄炎は、その名の通り開放骨折に伴う骨髄炎を示します。その発症率は、骨折部位やタイプ、汚染度にもよりますが3~25%と言われます。いわゆる感染傾向と言われるような局所の発赤や発熱・悪寒などは乏しいこともあり、疑うべき所見としては骨化遅延や創傷治癒遅延などがあります。血液検査で末梢白血球の増加や血沈の亢進なども認められますが、これも軽微な上昇にとどまることもあることに注意が必要と言われています。さらに、レントゲンやMRIなど各種画像診断により確認する場合でも、単なる外傷後変化を反映している可能性や異物による影響があることなどを考慮し、総合的な判断が必要となります。やはりこういう時には、放射線科医師による読影が必要かもしれません。
全ての感染症治療にも言えることではありますが、骨関連の感染では抗菌薬投与期間が6週間以上と長期間になるため、可能な限り抗菌薬投与前に原因菌検索を行うために必要な検体を提出し、de-escalationが行なえる環境を整えておく必要があります。