化膿性関節炎2
小児の関節炎
今回は小児の関節炎を取り挙げます。前回取り挙げた大人の関節炎とは背景や原因菌などが少し異なるため、そこに注目しながら見ていきましょう。
小児の関節炎は、通常3歳以下に多く発症し、ほとんどの場合、原因菌が血行性に関節に侵入すると言われています。よって、小児の関節炎を見たら、逆に敗血症も疑うべきかもしれませんね。小児の関節炎の原因菌は、やはりS.aureusが圧倒的に多くなりますが、新生児では、大腸菌やB群溶血性レンサ球菌、乳幼児では、S.pneumoniae、A群β-溶血性レンサ球菌、K.kingaeなどが原因菌として挙げられます。大人と同様に関節炎から骨髄炎への進展があれば、治療期間の延長が必要になります。また、化膿性関節炎を疑った場合には、膿や貯留液が存在するため、積極的に穿刺を行い、原因菌の解明、関節腔内の減圧などを行うことが大切だと言われています。