腹膜炎1
さて、新しいシリーズとして腹膜炎を取り挙げてみたいと思います。腹膜炎とは、一言でいうと腹膜(肝臓・胃・小腸・大腸といった腹部の臓器の外側と、内側の壁、横隔膜、骨盤底などを覆っている膜)に何らかの炎症が起こることとされます。その中でも細菌性腹膜炎は、本来無菌状態の腹腔が細菌で汚染され炎症が起こった状態です。一般的に腹膜炎は、下記のように一次性腹膜炎、二次性腹膜炎、三次性腹膜炎に分類されます。
一次性腹膜炎
よく突発性細菌性腹膜炎と呼ばれ、明らかな原因がなく、腹腔内に感染が成立する状態です。成人の場合、腹水の存在する肝硬変患者でよく認められ、消化管出血や腹膜炎の既往がある場合、腹水中タンパクが低値の場合などでリスクが高いと言われます。また、感染の特徴として単一菌感染であることが多くなります。