性感染症4
いよいよ性感染症シリーズも最後になりました。ここで取り上げる病気は、性感染症を専門に見ている施設では見かけることがあるのでしょうが、個人的にもあまりみることはありません。ただ、症状や特徴、治療法は知っておく必要があると思いますので、最後のまとめにしておきたいと思います。
性器ヘルペス
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)または、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)の感染により、性器に浅い潰瘍性または水疱性病変が形成される疾患です。初めて感染した初感染と、すでに神経節などに潜伏感染していたヘルペスウイルスが再活性化して起こる再発では、症状が異なります。一般的に、初感染では病巣が広範囲で症状が強く、発熱などの全身症状を伴うことが多いのが特徴で、一方、再発では全身症状を伴うことは少ないとされます。現段階での治療薬である抗ヘルペスウイルス薬は、増殖しているヘルペスウイルスの増殖抑制には有効であり、治癒までの期間を明らかに短縮しますが、潜伏感染しているヘルペスウイルスの排除には無効です。これにより再発抑制療法も認められています。