ロキソニンなどNSAIDsで喘息や血栓が起きる理由。COX阻害の先を解説!
前編では、プロスタグランジン(PG)の基礎知識を整理し、頻度の高い副作用である消化管障害と腎機能障害についてまとめました。
後編では、NSAIDs服用による喘息や血小板機能障害、高血圧、心血管リスクについて、どういったメカニズムで起こるのか理解を深めていきましょう!
NSAIDsの副作用:アスピリン喘息が起こるメカニズム
アスピリン喘息はアラキドン酸カスケードにおける経路の変化によって起こります。通常、アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ(COX)経路とリポキシゲナーゼ(LOX)経路の両方に流れています。
しかし、NSAIDsによりCOXが阻害されると、行き場を失ったアラキドン酸がLOX経路へと一気に流れ込みます。すると、ロイコトリエン(LT)が過剰に産生されます。LTは強力な気管支収縮作用、粘膜浮腫促進作用を持ち、喘息発作や鼻閉を引き起こします。
成人喘息患者のうち、約10%がアスピリン喘息と言われています。特に慢性副鼻腔炎や鼻茸の合併や手術歴があるとリスクが高くなります。
また、この機序は経口薬だけでなく、貼付剤や塗り薬、座薬でも同様のメカニズムで発作が誘発されます。
アスピリン喘息を起こしにくい薬剤として、チアラミド(ソランタール)やセレコキシブ(セレコックス)などがあげられています(どちらも添付文書上は禁忌です)。
NSAIDsの副作用:血小板機能障害が起こるメカニズム
NSAIDsが血を止まりにくくするのは、血小板内のCOX-1を阻害するためです。それにより、TXA₂合成が抑制され、血液凝固能が低下します。
血小板には核がないため、一度NSAIDsによってCOX-1を阻害されると、その血小板が寿命(約7〜10日)を終えるまでTXA₂生成能を回復できません。
なお、アスピリンはCOX-1を不可逆的に阻害するため、少量でも強力な抗血小板作用が持続します。一方で、その他のNSAIDs(ロキソプロフェン等)はCOX-1を可逆的に阻害します。薬の消失とともに血小板機能も回復しますが、服用中は出血傾向が高まった状態といえます。