ラゲブリオの準備はできていますか?
2020年12月24日、MSDの新型コロナウイルス感染症治療薬「ラゲブリオカプセル200mg」(一般名:モルヌピラビル)が特例承認されました。ラゲブリオカプセルは新型コロナウイルスに対する初の経口治療薬になります。
特例承認された薬剤ということでラゲブリオカプセルの扱いは少し特殊になっていますが、みなさんの薬局には納品されていますか?
もし、ラゲブリオの処方を受けたら?どのような準備を行い、どのような対応が必要か?今回はラゲブリオの処方を受ける際の準備についてまとめてみたいと思います。
国が所有する医薬品
ラゲブリオは特例承認された後、薬価基準未収載のまま流通開始となっています。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で一般流通を行った場合、需要に供給が追いつかず安定的な供給が難しくなることが予想されるため、薬価基準収載を行わないまま国が買い取りを行い、厚生労働省が所有した上で対象となる患者が発生または発生が見込まれる医療機関と対応薬局へ配分することとなっています。
日本政府はMSDから160万人分の供給を受けることが決定しており、すでに納入が行われています。
ラゲブリオを扱うことのできる薬局
ラゲブリオを取り扱うことができる薬局は令和3年11月9日付事務連絡「薬局における新型コロナウイルス感染症の経口治療薬の配分に係る医薬品提供体制の整備について」で定められている対応薬局(地域において新型コロナウイルス感染症の経口治療薬(薬事承認された抗ウイルス薬)の調剤に対応する薬局)です。
対応薬局の選び方は各都道府県で異なりますが、地域の薬剤師会等が中心となって対応薬局のリスト作成、都道府県を通じて厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部(戦略班)に提出されています。
ラゲブリオ登録センターを通じた配分
ラゲブリオカプセルの配分を希望する医療機関や対応薬局はラゲブリオ登録センターに登録し、同センターを通じて発注を行う形になっています。
ラゲブリオ登録センターは製造販売元であるMSDが開設しており、MSDのホームページ等から閲覧することが可能です。
対応薬局として登録が完了すれば、処方に応じてラゲブリオカプセルを発注することが可能となっています。現在は一定数の在庫配置として3箱(3人分)の在庫配置が可能となっていますが、これについては供給量や感染拡大状況によって変わっていく可能性があります。
ラゲブリオ登録センターにログイン後、処方元、在庫状況等を入力すると、入力内容に応じて配分可能な数が決定し、発注を行えます。
発注後1〜2日程度で医薬品卸等の配送に協力する業者から薬局に納品が行われます。
どの薬局がラゲブリオを在庫しているかについては、MSDから医療機関へメールで共有されるようです。